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ニート「それが君の『説教』か?」

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1: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:20:46 ID:YbGxwX441

俺は今、ある家の前にいる。
ここは俺の中学からの友人が住む家である。
彼はこの歳になっても実家暮らしで、両親と一緒に住んでいる。
――そして彼は、俗に言う「ニート」というやつである。

俺がこの家を訪れた理由は一つ。
彼を社会復帰させるためだ。
そのために、わざわざ休日を潰してやってきたのだ。

門を開けて、玄関の呼び鈴を押す。

「はーい」

すぐに彼の母親の声が、スピーカーから発せられた。

「こんにちは、××です。□□くんはご在宅でしょうか?」

ニートなわけだからいるに決まっているが、形式として聞いておく。

「ああ、はい、いますよ。カギは開いていますので、どうぞ」

その言葉に従って、玄関のドアを開ける。
玄関に入ると、すぐに彼の母親が俺を出迎えた。

2: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:25:44 ID:YbGxwX441

「まあ、いらっしゃい。××くん。いつも悪いわねえ」
「いえ、こちらこそ、突然お邪魔してすみません」

俺は中学の頃から、この家を何度も訪れている。
だから、今更向こうも突然の訪問を咎めるようなことはしない。

いや、それ以上に俺がこの家を訪れている理由からいって、俺を拒む理由がない。
俺は、彼女の息子を社会復帰させようとしているのだから。

「□□ー。××くんが、いらっしゃったわよー」

母親が呼びかけるが、返事はない。

「全く、しょうがないわね。せっかく、お友達が頻繁に会いに来てくれているのに」
「まあ、いいですよ。□□くんは、部屋ですね?」
「ええ、よろしくお願いします」

俺は階段を上がり、薄暗い廊下を進んで、とある部屋の前に立つ。

「□□、いるんだろ?」

ノックをしたあとに呼びかけるが、返事はない。

「入るぞ」

3: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:27:20 ID:S43uuYoLE

ほう、期待
4: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:28:54 ID:YbGxwX441

カギは掛かっていなかった。俺はドアを開けて中に入る。
中はカーテンが閉められていて薄暗く、食事をした後の食器などが、
乱雑に置かれていて、とても片付いているとは言えなかった。

――いつもであれば。

俺の予想に反して、部屋のカーテンは開けられていて、太陽の光がしっかりと差し込んでいる。
部屋はいつもでは考えられないぐらいに片付けられていて、食器などは一つもない。
そして、さらに俺の予想に反していたのは、目的の人物の様子だった。

いつもであれば、ベッドの上で布団に包まり、俺の侵入を拒むかのように縮こまっていた彼が、
きちんと整えられた服を着て、部屋の中央の椅子に座って、俺を待っていた。

「××か、来ると思っていたよ。まあ、そこに座ってくれ」

そう言うと、□□は入り口のそばにある椅子を指し示し、俺に座るように促した。
この椅子も、いつもは無かったものである。

「あ、ああ。それじゃ……」

言われた通り、その椅子に座る。

5: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:31:54 ID:NUipY8x7X

読みやすい
6: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:34:36 ID:YbGxwX441

「今日はどうしたんだ?」

□□が俺に用件を尋ねる。
わかっているくせに、話題を逸らそうとしているのか?

「決まっているだろ。お前、いつまでこんな生活を続ける気だ?」

俺はいつもの入り方で、言葉を続ける。

「自分だってわかっているんだろ? いつまでもご両親の世話を受けてはいられないって。
 いいか? お前は甘えているんだよ、いつまでも子供みたいに甘えているんじゃない!」

そう、心を鬼にして、厳しい言葉をぶつける。これが、こいつのためになるはずだ。
誰かがやらなくちゃいけないんだ、だったら俺がやる。

「きっとお前は、自分が一番辛いと思っているんだろうな。だとしたら違うぞ。
 お前より辛い思いをしている人なんて沢山いる。要はお前の努力不足なんだ」

7: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:36:23 ID:YbGxwX441

そう、こいつは就活に挫折したことで、現実から逃げ続けている。
自分の世界に閉じこもっている。
だからこそ、俺がそれをこじ開けないといけない。

「だから、今すぐにでも就活を再開しろ! これ以上、ご両親に迷惑を掛ける気か?
 ご両親だって、お前が早く自立することを望んでいるんだぞ!」

□□は、俺の言葉を黙って聞いていた。
何だ? いつもならもっと、耳を押さえて、聞きたくないようなそぶりを見せるのに……

「それが君の『説教』か?」

突然、□□が言葉を発した。

8: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:36:35 ID:S43uuYoLE

努力不足かぁ…
9: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:37:31 ID:S43uuYoLE

スレタイktkr
10: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:39:27 ID:NUipY8x7X

スレタイきた
11: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:39:33 ID:h3Zj0iXnJ

自分に自信を持った屑程厄介な物は無い
15: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:43:12 ID:eDpkwDS9G

>>11
実績がないから誰も相手にしないのにね
12: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:40:18 ID:S43uuYoLE

続きはよ
13: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:40:28 ID:YbGxwX441

「まあ、それはいいとして、実は君に報告することがある」

報告? 何だ、このタイミングで?

「実はな、バイトをすることになったんだ」
「え!?」

バイト? こいつが? 

「そ、そんなこと、お母さんは一言も……」
「当然だろ、言ってないんだから」

言ってない? 何でそんな必要が……

「やはりな」
「えっ?」
「君の反応だよ。僕の予想していた通りだ」

俺の反応? 何だ? 何を言っている?

「僕がバイトを決めたというのに、『おめでとう』の一言もないのかい?」

14: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:41:41 ID:5eQKagLLR

これは興味深いテーマ
16: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:43:44 ID:YbGxwX441

「え!? ……あ」

そ、そうだ。あまりに予想外のことで忘れていた。
こいつがバイトを始めたんだ。祝わないと。

「そ、そうか。よくやったな! これで一歩前進だな!」
「そうだね、尤も……」

そして、□□は言葉を続ける。

「前進出来なかったのは、君のせいだけど」

こいつとは思えないほどの敵意を含んで、言った。

「なっ!? お前、何を……」

何を言っているんだ? 俺はこいつのためにわざわざ……

「わざわざ、僕のために来てやっている。そんなことを思っているのかい?」

なぜか、心中を見透かされた。何でこいつに見透かされるんだ?

17: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:44:00 ID:S43uuYoLE

おぉ、ニート君おめ

××は最低だな

18: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:44:46 ID:NUipY8x7X

ふむ
19: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:45:13 ID:u4UIJxG6d

見下していただけなんだな
20: 名無しさん@涙目 2014/08/18(月)20:45:29 ID:5eQKagLLR

いいな
運びがうまい

××ザマァwwwwww

Source: みじかめっ!なんJ
ニート「それが君の『説教』か?」

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