フードライター白央篤司さんの「2024年よく買ったもの」は?セブンイレブンにずらりと並ぶアレでした…!

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12月に入ると、「今年買ってよかったもの」的記事があちこちで掲載されるようになる。それらを眺めていたら、フト私の「今年よく買ったもの」はなんだろう……と考えてみたくなった。すぐに浮かんできたのは、セブンイレブンのカップデリ。いまも冷蔵庫にふたつほど入っている。 

カップデリ、なかでもお気に入りは…

セブンイレブンのカップデリ。家でちょっと飲みたいとき、何度お世話になったことか

ご存じだろうか、カップデリ。直径10㎝ぐらいのプラカップに入ったおそうざいの数々。値段は大体300円前後、この内容がまあ……つまみによかったんだ。明らかに酒好きを狙っているようなラインアップにまんまと引っ掛かり、家でちょっと飲みたいとき、何度お世話になったことか。

多いときは週2で買っていた「たことブロッコリーのバジルサラダ」

いつも18種類前後が売られていて、メニュ―の豊富さも魅力。焼きさばのおろしぽん酢和え、いかときゅうりの和えもの、春雨サラダなんてとこが好きだが、中でもリピートしたのが「たことブロッコリーのバジルサラダ」で、多いときは週2で買っていた。

ゆでたことブロッコリーがバジルペーストで和えてあり、ビールやワインのつまみによく、塩気はさほど強くない。なので、飽きがこない。中高年が「ちょっとつまみたい」とき、絶妙な量と味つけなのだ。さらにはゆでたじゃがいもに枝豆まで入っているのが……にくいじゃないの。チビチビつまめて、すぐ無くならないのがうれしいんだなあ。私は時にレモンをしぼったり、黒こしょうを足したりして楽しんでもいた。

パスタソースと合わせてみたら…大正解!

無印良品のいかすみパスタソースに加えてみたら…

先日、無印良品のいかすみパスタソースで昼メシにしようと思ったとき、これだけじゃさびしいな……と「たことブロッコリー」を加えてみたら……これが大正解!

大正解。バジル風味といかすみ、合うな!

バジル風味といかすみ、合うな! 

ゆでたパスタをフライパンの中でソースと和えるとき、「たこバジル」1カップを全量入れて少々温めればもう完成。野菜とタンパク質も足せて栄養的にもいいじゃないの。仕上げにオリーブオイル少々をふると、なおうまい。うん、これはまたやろう。お正月、おせちに飽きた頃にもいいかもしれない。

ちょっとした時間の短縮がありがたい日も

3分でゆで上がる『マ・マー』シリーズのパスタ

パスタといえば『マ・マー』シリーズのこのパスタにもお世話になった。通常の2/3の長さなのでフライパンや小鍋でゆでやすく、3分でゆで上がる。大鍋を出さずに済むし、フライパンなら湯が沸くのも早くて手軽この上ない。結束タイプで(1人前の量が束になっているもの)、袋がチャック付きなのもありがたいんだ。食感もなかなかいいですよ。

一般的なパスタのゆで時間は8分から12分ぐらい。「そのぐらいのゆで時間省かなくとも……」と思われる人もいるかもだが、そのちょっとの短縮が実にありがたい日もある。じっくり作る日もあり、手早くを最優先する日もあり。その日の気分に応じていろいろ使い分けつつ、私は日々の料理とつきあっている。

消費者ニーズに細かく応じた商品が年々増えているなと実感する。スーパーではつい「いつも買ってるもの」をカゴに入れて終わらせがちだが、「いつものやつの隣や上下にあるもの」もたまにチェックしてみると、自分にとってより便利なものと出会えることも。年末年始のお休みの間に、そんなことをちょっと試してみるのも、いいかもしれない。

話はいきなり変わる。

先日、『はじめての胃もたれ』(太田出版)というコラム集を出したのだけれど、その新刊記念イベントで作家の角田光代さんとお会いする機会があった。そのとき角田さんから面白い質問をされたので、ちょっとここに書き残しておきたい。

「すごくおいしいけれど、居心地の悪い店(接客が悪い、客層がよくない等)と、そこそこの味だけど居心地のいい店だったら、どちらを選びますか」

これ、断然前者だ。基本的に私は個人店で飲むことが多く、それもおひとりか、おふたりでやられているような店を好んで訪ねている。愛想が悪い、ぶっきらぼう、とっつきにくいような主人でも、ひとたびその味が「好き!」と思ったらその瞬間からドーパミンが放出されるというか、普通ならネガティブに感じられるような要素すべてを好意的にとらえるスイッチが入る。

愛想が悪い→シャイなんだな、ぶっきらぼう→無駄口を叩くよりはいい、とっつきにくい→通って絶対そのうち打ちとけてみせる……といった感じ。素っ気なくされると妙に燃えるタイプ、かもしれない。

また逆に考えると、いくら愛想がよくて人当たりは最高でも、肝心の味がいまいちだと「頑張るとこ違うだろう」なーんて思ってしまう。それにまあ、味というのは好みの問題だから合わない場合は、もうしょうがないのだ。客層がよくないとしたら、空いてるときを見計らって再訪する。常連がいつも張り付いているような店もたまにあるけれど、そこの味が好きならやっぱり通ってしまうだろうなあ……。ごくたまの「その人たちの居ないとき」がものすごくうれしく感じられそうだし。

みなさんはこの質問、どっち派だろうか? 最近、麻辣湯にハマられている西森路代さんはどっちだろう。よかったら次回、教えてください。

そして読んでくださっている皆様、2024年もありがとうございました。

どうぞ良いお年を、お過ごしください。   

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