アメリカ軍とカナダ軍が共同運営する北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD:ノーラッド)は、クリスマスイブの12月24日から、世界の子どもたちにプレゼントを届けるサンタクロースの「追跡」を行う。
毎年恒例の“特殊任務”で、特設サイト「NORAD TRACKS SANTA(ノーラッド・トラックス・サンタ)」を見れば、何十億ものプレゼントが、どのようにして遠くまで運ばれるのか、そしてサンタが次にどの街に向かうのかを知ることができる。サイトは日本語にも対応している。
NORADは爆撃機や核ミサイルなどの航空攻撃に対して、北米の防衛を行っている軍事組織。その傍ら、毎年クリスマスイブにはトナカイと空飛ぶそりを追跡しているのだ。
軍事組織のため、さまざまな技術を持っていそうだが…いったいどのように追跡しているのか?もしかして、サンタの正体も知っているのでは…?
NORADがウェブサイトで公開している情報から、一部を紹介しよう。
毎年クリスマスの時期が近づくと、NORADはサンタが北極を出発する様子をレーダーで確認し、飛び立ったのをとらえると、普段はミサイルがないかを警告するために使う人工衛星と同じ衛星を使って追跡を始める。
これらの人工衛星には赤外線センサーが付いているので、赤外線反応を示すトナカイの赤鼻を探知することができるという。
そしてNORADのジェット戦闘機で北米を訪れるサンタを歓迎し、エスコートする。実際サンタはジェット戦闘機よりも早く飛ぶが、戦闘機がエスコートできるよう、スピードを落として飛んでくれているそうだ。
NORADのサンタ追跡は1955年、ある子どもがサンタに電話をかけようとして、間違って新聞の広告に掲載されていたCONAD(NORADの前身)のオペレーションセンターに電話をかけたことがきっかけ。
オペレーション室の責任者だったハリー・ショップ大佐が部下に指示をして、サンタが北極から南に向かっていないかレーダーをチェックするように伝えたことから始まり、その伝統は今も続いている。
NORADは24時間365日、休むことなく領空の監視をしており、サンタの追跡を可能にするテクノロジー、能力、人材を備えているという。追跡を続ける理由については、ウェブサイトに「何より、この任務が最高だからです! NORAD は公認のサンタ追跡者としての任務を誇りに思っています!」と書いている。
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通常、サンタは太平洋上の日付変更線からスタートし、西向きに移動するという。これまでを振り返ると、まず南太平洋を訪問し、オーストラリアやニュージーランド、その後日本、アジアを巡り、アフリカ、ヨーロッパ、カナダ、アメリカ…の順に回るという。しかし、経路は天候にも左右されるという。
実際のルートはサンタしか知らないそうだが、これまでの歴史から予想すると、サンタが各家庭を訪問するのは、子どもたちがぐっすり眠っている間だけ。ほとんどの国では、クリスマスイブの夜9時から真夜中だというが、もしその時間にまだ子どもたちが起きていれば、他の家を先に回るそうだ。
NORADの報告書によると、サンタの時間の体験は、私たちとは異なるという。私たちにとってクリスマスイブは24時間だが、サンタにとっては数日、数週間、あるいはそれ以上に値するかもしれないというのだ。
サンタはこの特別な仕事で手抜きすることは考えられないことから「私達とは異なる時空間連続体の中で活動しているらしいと考えるのが唯一合理的な結論」とNORADは結論づけている。
NORADが収集した情報によると、確かなことは分からないものの、サンタは「最低でも」1600 歳は超えているだろうという。
NORADが飛行データと人工衛星の追跡に基づいて計算したところ、「サンタの身長は約170cm、体重は180キロ(クッキーを食べる前) だそうです。また戦闘機からの写真では、お腹は太め、冷たい風の中でソリに乗っているため頬っぺたは赤く、ひげは白く長いことも確認されています」という。
「NORAD TRACKS SANTA」のウェブサイトには他にも、サンタのそりに関するデータなども公開されている。24日からはサンタ追跡の様子も見られる。気になる人はぜひチェックしてみてほしい。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
サンタはどうやって1日で世界中にプレゼントを配るの?北米軍事組織の答えに納得しかない