年末年始はちょっとぜいたくに、となると必ずといってよいほど思い浮かぶ魚介類の一つがカニです。ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニなど種類も豊富で見た目も味もぜいたく感があります。
ウェザーニュースで「カニが好きか、嫌いか」についてアンケート調査したところ、「好き」と答えた人が全体の89%を占める結果となりました(2024年11月23〜24日実施、集計対象13,821件)。
冬の人気食材のカニ。意外と知らない、知るとちょっと得する秘密を、船橋地方卸売市場の株式会社ヤマスエ水産取締役、内海貴久さんに伺いました。
同じ種類?呼び方が異なるズワイガニ
同じように見えるカニでも呼び方が変わるカニや、実は本当はカニではないものもあるそうです。
「さまざまな呼び方をされるカニがズワイガニです。ズワイガニはこれから年末年始にかけてとても人気が高くなり、出回る量も増えてきます。
ズワイガニは日本海の冬の味覚の王者とも呼ばれ、身には甘みがあり、カニ味噌は濃厚な味わいがあります。
市場では大型のオスだけをズワイガニと呼び、メスはコウバコガニ、セコガニ、セイコガニなどと呼ばれ、オスの半分ほどの大きさしかありません。ズワイガニは獲れた場所により、松葉ガニ、越前ガニ、間人(たいざ)ガニなどと呼ばれてブランド化されていますが、日本海でも山陰で獲れたものが高値で取引されています。
大型で見た目にもインパクトのあるタラバガニも年末年始には豊富に出回ります。タラバガニはカニと名がついていますが、実はヤドカリの仲間です。カニの仲間は足が10本ですが、タラバガニは8本です。
味はズワイガニに比べるとやや淡白ですが、なんといってもボリュームがあり、食べ応えがあります」(内海さん)
くすんでいるのは生、赤いものはボイル
店頭で見かけるカニは冷凍されているものが多いようですが、くすんだ色のものと明るい赤のものがあります。これは何でしょうか。
「冷凍カニは生のまま冷凍したものと、ボイルしてから冷凍したものがあります。
ズワイガニもタラバガニも、生の状態のものは色が黒っぽいくすんだ色をしていますが、加熱すると赤く色が冴えます。これはカニに含まれるアスタキサンチンという物質が加熱により赤くなるためです。つまり、くすんだ色は生を冷凍、赤いものは加熱してから冷凍されたものということです。
生冷凍は、そのまま鍋料理にすると身はもちろん美味しいですが、カニのだしが出てスープが絶品になります。焼きガニもジューシーでおすすめです。ボイル冷凍は解凍してそのまま食べられるので、手間いらずです」(内海さん)
カニの「黒いつぶつぶ」の正体は?
カニの中には、甲羅や足の部分に黒いつぶつぶしたものが付いているものがありますが、少し気になります。
「ズワイガニによく見られる、甲羅や肢のつけ根などに付いている黒いつぶつぶは、カニの甲羅や足に寄生するカニビルと呼ばれる生物の卵です。カニはもちろん、人体にも無害なのでご安心ください。
カニビルは岩など固いものに卵を生む習性があります。しかし、海底が砂地で岩などがない場合には、カニの甲羅や肢に卵を産みます。
カニは脱皮して成長しますが、脱皮したては甲羅が柔らかく、味が落ちます。カニビルは脱皮したてのカニは甲羅が柔らかいため、卵を産みません。脱皮して時間が経ち、甲羅が十分固くなっているカニにしか卵を産まないのです。
つまり、つぶつぶがたくさん付いているカニは脱皮してから時間が経っていて味が良くなっているもの、という目印になるとも言われています」(内海さん)
最近では、ズワイガニとは種類が異なる「オオズワイガニ」、タラバガニのそっくりさんの「アブラガニ」など、一見すると区別がつかないようなカニも販売されているようです。年末年始には良いカニをしっかり選んで、美味しくいただきましょう。
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知ってる?カニについた黒い“つぶつぶ“の正体。美味しさを見分ける目印にもなる、冬の人気食材カニの秘密