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好きなアーティストの公演チケットを入手するためのハードルが高すぎると感じたことはありませんか?
多くのファンは、有料会員制のファンクラブなどを通じてチケットを購入していますが、近年は、転売や価格高騰などが問題になっています。
NECグループの独立シンクタンク国際社会経済研究所(IISE)は18~69歳の1216人を対象に「ファンクラブ加入状況と公演チケット購入と推し活」の調査を実施。
11月末に公表された結果からは、「人気の公演のチケットが買いにくい」「不正転売で、本当に行きたいファンがチケットを買えない」といった不満の高まりや、不正転売や公式リセールサービスに対する意識が見えてきました。
ファンクラブ加入者は公演チケットを優先的に購入できるケースがほとんどです。
IISEの調査では、ライブやイベントのチケット購入者の約43%が、ファンクラブに加入していることがわかりました。ファンクラブに加入した動機も「先行チケット購入権」と回答した人が67%と圧倒的に多く、チケットを入手するためにファンクラブに加入する傾向が高いことがわかります。
チケット購入時の不満としては、「価格」「諸手数料などの追加料金」「人気の公演・イベントのチケットが買えない/買いにくい」「座席の選択ができない、または不明確」「購入後のキャンセルや変更が難しい」「ファンクラブに入っていても買えないことがある」「日程が先過ぎて予定が立てにくい」など多岐にわたる不満が寄せられたといいます。
この結果から、IISEは現状のチケットに関わる課題として「チケット購入の困難さと不公平感」 「価格に対する納得感」「日程の不安感・購入後の柔軟性」「購入プロセスで感じるストレス」の4つがあると分析しました。
入手が難しいアーティストの公演のチケットを、興行主が定めた販売価格より高い値段でネットなどで売却する「不正転売」も、エンタメ業界の大きな課題のひとつです。
調査では、2019年に施行された「チケット不正転売禁止法」の認知率は59%で、8割以上が同法の内容に賛成しました。
不正転売防止策としては、公演の主催者側は本人確認の厳格化を進めるほか、チケット購入後にやむを得ない理由で公演に行けなく場合にチケットを再販売できる、チケットサイト公式の「リセール」サービスを導入する公演も増えています。
調査では80%が公正取引によるリセールに賛成しており、行けなくなったチケットが無駄にならないことや、流通経路が明確であることが賛成意識と関係していたといいます。
「不正転売禁止法にも賛成」かつ「公式リセールの仕組みにも賛成」とした比率が71%に達したことから、IISEは「不正転売禁止法による“リセール行動の制約”は、公式取引の仕組みとセットで構築・提供されることが好ましいことがわかる」との見解を述べています。
出典元:国際社会経済研究所(IISE)
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チケット転売問題でリセール賛成は8割。「ファンクラブに入ってもチケット買えない」「高すぎる」と不満の高まりも