持続可能性の実現に向けた取り組みが各領域で進む現在、自動車産業でも新たな素材の登場や研究の発展に注目が集まっている。
2023年度には、EVの国内販売台数が過去最高の7万9198台(商用車を除く)を記録するなど、市場規模で変革期を迎えている自動車産業だが、SUVの領域においても持続可能性に向けた動きが進んでいる。
三菱ケミカルグループは12月5日、植物由来バイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ(DURABIO)」が、スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」のフロントグリルに採用されたことを発表した。
デュラビオは、再生可能な植物由来原料「イソソルバイド」を用いて作られるバイオエンジニアリングプラスチックだ。
イソソルバイドは枯渇資源である石油の消費量を削減できるうえに、原料となる植物が成長過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの低減にも貢献できるという。
また、イソソルバイドは機能性においても高い評価を獲得している。耐衝撃性、耐傷付き性、発色性に優れており、自動車の内外装部品、光学・電子デバイス部材、日用雑貨など幅広い分野へ展開が進められている。
今年10月に発売された、扱いやすいクーペスタイルのSUV「フロンクス」は、全長4m以下で比較的手の届きやすい価格設定(254万1000円)でありながら、その充実した機能性と高級感のあるデザインが特徴の車種だ。
「フロンクス」に採用されたデュラビオは、2021年に欧州で発売された「S-CROSS」以降、これまでに「スイフト」「スペーシア カスタム」「VITARA」などのスズキの国内外の車種で、フロントグリルに採用されてきた。
今回の採用でも、耐衝撃性および耐候性に加え、着色剤を配合するだけで光沢のある高度な意匠性を実現し、従来必要であった塗装工程を省き、製造時に発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減するという優れた特性が評価されたという。
同社グループは「デュラビオの展開を通じ高付加価値な製品を提供するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献していきます」とコメントしている。
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スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」に採用された「デュラビオ」とは?【三菱ケミカルグループ】