アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利した後、ソーシャルメディア「Bluesky(ブルースカイ)」のユーザー数が急増している。公式発表によると、選挙後の1週間で100万人増加した。
Blueskyは、見た目も使い方もXによく似ているものの、大きな違いもある。どのようなソーシャルメディアで、どう使うのだろうか?
BlueskyはX(旧Twitter)と同じく、テキストベースのソーシャルメディアだ。
Twitterの共同創業者であるジャック・ドーシー氏が、2019年に分散型ソーシャルアプリとして考案した。
2023年2月の公開時は招待制だったが、2024年2月から誰でも登録できるようになった。
Blueskyは、公式ページまたはiOSやAndroidなどにあるアプリから登録できる。
アカウントを作成するためには、「サインアップ」を選んだ後、メールアドレスやパスワード、生年月日など、必要な情報を入力する。
Blueskyで表示される自分のハンドルネームは、ユーザーネーム+ホスティングプロバイダーになる。
ホスティングプロバイダーユーザーは基本は「Bluesky Social」で、たとえばユーザーネームを「namae123」にした場合「@namae123.bsky.social」が、ユーザーハンドルになる。
ユーザーハンドルを作った後は、プロフィール画像を選び、自分の興味がある分野を選ぶ。
ここで選択した興味分野をもとに、Blueskyがお勧めアカウントを提案する。
サインアップして最初に表示されるタイムライン(フィード)は「Discover」と「Following」だ。
「Discover」には、自分の興味にあわせた分野でトレンドになっている投稿が、表示される。「Following」では、フォローしている人の投稿が新しい順番に読める。
この2つの他にも「#フィード」から特定のテーマを絞り込んだタイムラインを検索して、「猫の画像」や「スポーツ」など自分の好みに応じたフィードを、ホームタブに追加できる。
フィードのほとんどは、独立したサードパーティーの開発者によって作られている。自分でフィードを作ることも可能だ。
Blueskyは、投稿やリアクションの機能も、Twitterによく似ている。
一回に書き込めるのは、現在のところ最大300文字で、画像や動画、絵文字も投稿できる。
他のユーザーの投稿を、いいね!やリポスト、返信する機能もある。ハッシュタグも使える。
3点リーダーを押して、投稿を報告したり、非表示にしたり、ミュートしたり、テキストをコピーしたりすることもできる。
他の人を検索してフォローしたり、相互フォローした相手とDMでやり取りをしたりすることも可能だ。新しいメッセージを誰から受け取るかは、「設定」の中にある「チャットの設定」で選択できる。
また、Xのように複数のアカウントを作り、切り替えて使うこともできる。
Blueskyの「設定」には、セキュリティ強化やプライバシー保護、見たくない投稿をブロックする機能などがある。
「2要素認証」を有効にすれば、ログイン時ににメールでコードを受け取る設定にでき、ハッキング対策になる。
「モデレーション」には、フィードに表示させたくない特定の単語をミュートしたり、成人向けコンテンツを制限したりする選択肢がある。
Blueskyはサインアップしなくても投稿を見られるものの、「モデレーション」で、「ログアウトしたユーザーに自分のアカウントを表示しないようにする」を有効にすると、ログインしていないユーザーにプロフィールや投稿が表示されなくなり、閲覧できる人が制限される。
また「アクセシビリティ」から「画像投稿時にALTテキストを必須とする」を有効にすることで、画像に代替テキストを付けることも可能だ。
Bluskyは見た目も使い方もXによく似ているが、ATプロトコルを使った「分散型」という点で、Xなど従来の「中央集権型」ソーシャルメディアと異なる。
分散型ソーシャルメディア(DeSo)は、単一の企業や政府ではなく、世界中の独立したサーバー上で運営・管理されている。マストドンもこの分散型SNSだ。
これに対し、XやInstagram、Facebookなど、従来の「中央集権型」では運営会社が一つのサーバーで全データを管理している。
分散型SNSは、複数のサーバーを使用しているために、データが分散されてプライバシーや個人情報が守りやすいなどの利点がある。
その一方で、中央集権型に慣れていると、複数のサーバーが集まって作る分散型に使いにくさを感じるかもしれない。
ただしBlueskyはXによく似ているので、Xユーザーであればスムーズに使えるのではないだろうか。
Blueskyのユーザー数は2023年9月に100万人を超え、2024年9月には1000万人に達した。
その数は、大統領選後に急増しており、公式発表によると11月15日には1日で100万人増え、16日時点でのユーザーは1700万人を超える。
この動きを後押ししているのが、オーナーであるイーロン・マスク氏の運営の仕方などへの反発から起きている、Xのユーザー離れだ。
マスク氏は、2022年にTwitterを買収した後、利用規約違反などを理由に凍結されていたドナルド・トランプ氏や、陰謀論者で知られるアレックス・ジョーンズ氏らのアカウントを復活させた。
また、買収後に大規模な人員削減を行い、偽情報や中傷、憎悪を煽るようなコンテンツが管理されずに拡散される状態になった。
マスク氏は大統領選挙ではトランプ氏を支持し、Xが大統領選挙に関連する偽情報を拡散していると批判された。
大統領選挙でトランプ氏が勝利した後、俳優のジェイミー・リー・カーティス氏や元CNNキャスターのドン・レモン氏らがXアカウントを削除したほか、作家のスティーブン・キング氏や英紙ガーディアンもXへの投稿を止めると発表した。
シミラーウェブの分析によると、Xは大統領選挙があった11月5日に、過去1年で最多の訪問者数を記録したものの、同日に11万5000人以上がアカウントを無効にした。
こういったXを去った人たちの多くがBlueskyに移ってきたことが、ユーザー数の急増につながっていると考えられる。
それでもBlueskyの利用者は、月間アクティブユーザ数が2.75億人のThreadsや6億人と言われるXに比べると、はるかに少ない。
マスク氏がXを買収した後、テキストベースのソーシャルメディアとしてマストドンやThreadsなどが注目されてきたが、これまでのところXに取って代わる存在にはなっていない。
ドーシー氏が発案したBlueskyは元々はTwitterの資金で開発されたが、2021年からは独立した企業とになり、2022年のマスク氏買収後は、Twitterとの契約を解除した。
ドーシー氏は2024年にBlueskyの取締役を退任し、現在はジェイ・グレーバーCEOらが所有する公益法人として運営されている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「Bluesky」とは。ユーザーが急増しているSNS、どうやって使う?Xとの違いは
1: 通りすがりのコメンテータ…