衆議院議員総選挙(10月27日投開票)に向けて、LGBTQ当事者の人権を守る法整備を目指す「LGBT法連合会」が各政党に対し、SOGI(性的指向、性自認)をめぐる課題に関する意識調査の結果を発表した。
同連合会は「LGBT当事者をはじめとして、広く有権者の投票判断のものさしとなるように」とつづっている。
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調査は10月20日時点で、自由民主党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、日本共産党、国民民主党、れいわ新選組、社会民主党の8政党から返答があった。
ます全政党が、マニュフェストや公約に、SOGIに関する人権を保障する施策について記載があると回答。
続いて、SOGIに関する困難を解消するための施策について優先度が高いものを聞いたところ、「施策は必要でない」と答えた政党はなかった。
自民は困難の実態の調査・研究と、その他(理解増進のための養育・啓発)と回答。実効的な法整備は選ばなかった。
同性カップルに関する法整備や、相続など同性パートナーが配偶者として扱われないことで生じる困難を解消することが重要だと答えたのは、公明、立憲民主、維新、共産、社民。
ハラスメントの禁止を挙げたのは、立憲民主、維新、共産、国民民主。様々な差別の包括的な禁止を選んだのはれいわ、社民、国民民主。
そのほか公明は窓口の設置など当事者支援、令和は合理的配慮の義務化を挙げた。
2023年6月に施行された、通称「LGBT理解増進法」で規定されているものの、いまだに策定されていない「基本計画」について、自民、公明、立憲民主、維新、共産、国民民主、社民は「できるだけ早期に基本計画を策定すべき」と回答。
れいわはその他を選択。SOGIに関する理解を深める計画や施策は当然必要だとした上で、「法律自体が差別的」であり、法案審議の際には与党案に反対したと説明。
実際、有識者は「国が、自治体の差別禁止条例や、学校での多様な性についての教育など、LGBTQに関するあらゆる取り組みを抑制できるようになる」と指摘してきた。
真に必要なのは、差別の禁止と合理的な配慮を義務化する「差別禁止法」の成立だ、と答えた。
また、3月15日の参議院予算委員会で、岸田前首相が「いわゆるトランスジェンダーの方に対する誤解に基づく誹謗中傷など、性的指向及びジェンダーアイデンティティーを理由とする不当な差別や偏見は許されないもの」などと答弁したことについて、全党が考え方に「同意する」と回答した。
トランスジェンダーの人の性別変更の要件などを定めた「性同一性障害特例法」について、最高裁が「生殖不能要件」に違憲判決(2023年10月)を出すなど、法改正が求められている。また、「未成年の子なし要件」や「外観要件」についても、課題が指摘されている。
これについて、各党の考えを聞いたところ、維新は「生殖不能要件」は改正する必要があり、他は慎重な議論が必要だと回答。
公明、立憲民主、共産、れいわ、社民は「生殖不能要件」だけでなく、「未成年の子なし要件」や「外観要件」、法律の名称変更や残る懸念も含めて改正する必要があると答えた。
れいわは「本来であれば、非婚要件についても削除し、同時に同性同士の婚姻ができるような法整備を行うべき」と踏み込んで回答。
自民は「現行法に代わる適切な要件を定めるよう改正する必要がある」、国民は「慎重な議論が必要」と答えた。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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