「ぐりとぐら」作者の中川李枝子さんが死去。保育園で働きながら、世界中の子どもたちに愛される絵本を作った

中川李枝子さん=2015年撮影

「ぐりとぐら」「いやいやえん」「そらいろのたね」などのロングセラー絵本を書いた、児童文学作家の中川李枝子さんが亡くなった。89歳だった。

共同通信によると、中川さんは10月14日未明、老衰のため東京都の病院で死去した。

1935年、北海道生まれ。都立高等保母学院を卒業後、保育園で主任保母として働きながら、絵本の創作を続けた。

1962年に出版した「いやいやえん」で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞した。

1963年に刊行された「ぐりとぐら」は、2匹の野ねずみが主人公の絵本で、中川さんは主任保母としてフルタイムで働き、子育てをしながら書いた。また同作品の絵は、当時はフランス語専攻の大学生だった妹の山脇百合子さん(2022年死去)が描いた。

画家の山脇百合子さん(左)と児童文学作家の中川李枝子さん=1996年5月撮影

「ぐりとぐら」は2023年に60周年を迎え、現在まで10カ国語以上に翻訳されて、世界中の子どもたちの心をつかみ続けている。

中川さんは2015年、ハフポスト日本版のインタビューで「働いているお母さんは無理しちゃいけない」「母親は家族の犠牲になんかなっちゃだめ(中略)子どもは親とは別の人間であり、それぞれが社会の一員として尊ばれるべき存在なんです」と働きながら子育てをする母親へのメッセージを語った。

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