リネン製品は素敵なのですが、洗濯がちょっと面倒というイメージがあります。
リネンとは、亜麻(アマ)という植物の茎から採った繊維を紡(つむ)いで糸にしたものです。その歴史は古く、3万年前から人々に利用されてきた最も古い繊維なのです。現代でも、寝具や衣類、タオルのほかカーテンなどのインテリアファブリックなど、さまざまなものに使われています。
多くの素材が選べるにもかかわらずリネンに根強い人気があるのは、美しさと使い勝手のよさや気持ち良さを備えているからではないでしょうか」(リネンのお店 Cadeau屋・菅原さん)
素材としてのリネンについて、詳しく教えていただきましょう。
「一番は、ハリ・コシがあって、とても丈夫なことです。さらりとした肌触りが、使い込むうちに柔らかくなっていくのも魅力です。
吸水発散性がとても高いので、夏の寝具などにさわやかです。また、濡れても乾くのが早いのです。抗菌・防臭性も高く、細菌の増殖を抑制し、嫌な臭いも発生しにくい素材です。
一方、伸縮性や柔軟性が低いため、リネンを使った生地はクセがつきやすいのも確かです。また、使い始めの洗濯では濃い色のものは色落ちしたり、縮率安定が施されていないものは5〜10%ほど縮むものもあります。ただ、洗濯を繰り返すうちに物性は次第に安定してゆき、風合いも柔らかくなって肌になじんでいきます」(菅原さん)
リネンの性質をふまえた洗い方をすれば、きれいに仕上がるといいます。
【準備するもの】中性洗剤、もしくは弱アルカリ性洗剤
「リネンの洗濯には、中性洗剤または弱アルカリ性洗剤を使います。蛍光剤や漂白剤入りの洗剤は使わないようにしましょう。また、柔軟剤もリネンの吸水性を落としてしまうので、使いません」(菅原さん)
【洗濯】水、またはぬるま湯で洗う
「型崩れが心配なものは、洗濯ネットに入れるといいでしょう」(菅原さん)
【干し方】脱水後は陰干しにする
「軽めに脱水し、脱水後は形を整えて、パンパンとしわを伸ばし、直射日光を避けて陰干しします。乾燥機の使用は繊維を傷めてしまいますので使用しないでください。リネンは乾きやすいので、半日ほどで十分乾燥します」(菅原さん)
▼手洗いの場合
お気に入りのリネンの服や、おろしたてで色落ちが心配なものなどは、手洗いしたいですね。
「手洗いの場合も、洗剤や脱水など洗濯の基本は変わりません。
中性洗剤を水かぬるま湯に溶かし、リネンを入れて押し洗いします。汚れが落ちたら、2回ほど水を変えて濯(すす)ぎ、軽く絞ります。あとはしわを伸ばすように形を整えて、陰干しします」(菅原さん)
使えば使うほど肌になじんでくる素材です。正しい洗濯をして上手に着こなしてみませんか。
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知ってる?リネンの正しい洗い方。ポイントを押さえれば家庭での洗濯も安心