バナナは夏バテが心配なこれからの季節にぴったりの果物。保存に最適な気温は15~20℃とされていますが、これからの時期はどうしても上回ってしまいます。
気温の高い時期に日持ちをさせるには、どうしたらよいのでしょうか?
おいしい食べ方と合わせて、バナナを輸入販売しているスミフルジャパン(東京都渋谷区)に伺いました。
気温の高い日に汗をかくと、体からカリウムやビタミンが失われ、筋肉の働きが悪くなって痙攣(けいれん)を招くほか、だるさや不整脈、さらには熱中症の原因ともなります。
「バナナはカリウムの含有量が非常に多く、抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンBやビタミンCも多く含みます。さらに、脂肪の吸収を調節する水溶性食物繊維と、消化管壁を刺激する不溶性食物繊維がバランスよく含まれるほか、整腸作用に効果があるフラクトオリゴ糖もあり、腸内の善玉菌を増やすのに役立ちます。
また、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムなどのミネラル類は『睡眠ホルモン』と呼ばれるメラトニン、『癒しホルモン』セロトニンの生産性を高め、自然な睡眠誘導とリラックス効果を生みます。ミネラル不足によって引き起こされる、体力低下や疲れの予防にも役立ちます」(スミフルジャパン)
バナナに含まれる3種の糖類のうち、消化の速いブドウ糖・果糖がまずエネルギーに変わり、ゆっくり消化されるショ糖が後から効くという“時間差”のおかげで、体のパワーも持続されるそうです。
「夏場は、冷房の効いた室内など風通しがよい涼しい場所での保存をおすすめしていますが、食べごろを示すシュガースポット(皮に生じる茶色の斑点)が出やすくなってしまいます。シュガースポットが出たり、お好みの熟度を維持したい場合、冷蔵庫の野菜室で保存してください。ただし、シュガースポットが出る前のバナナを冷蔵庫に入れてしまうと、甘くならないので注意してください。
バナナはひと房ごとにビニール袋か新聞紙に包んでください。常温で保存するよりも若干日持ちがし、ひんやり冷たくておいしくもなります。皮が黒くなることもありますが、果肉には影響ありません」(スミフルジャパン)
野菜室に入れるのは冷蔵庫の温度帯では低すぎ、袋などで包むのは冷風が直接バナナにあたると低温障害を受けすぎるためと、バナナが発するエチレン(植物ホルモンの一種)の作用でほかの果実・野菜の成熟促進に影響を与えることがあるため。バナナをより日持ちさせたい場合は「お手間ですが、1本ずつ袋に分けて保存してください」(スミフルジャパン)とのことです。
夏のバナナのおいしい食べ方として、『冷凍バナナ』がおすすめだそうです。
「シュガースポットが出たら一口大に切って、重ならないようにタッパーや保存用袋に並べて冷凍庫へ。凍ったら取り出して、常温で15分ほど置いておくとできあがり。アイスクリーム感覚でバナナを食べることができます。また、凍ったバナナと牛乳でスムージーを作ると、氷を入れる必要がないので濃厚な味わいが楽しめます。
夏バテや熱中症対策にぴったりなレシピとして、ヨーグルト250gに塩小さじ4分の1を加えて混ぜ、そこに1cm幅にスライスしたバナナを加えてさらに混ぜ合わせた『塩ヨーグルトバナナ』があります。また、ジッパーバッグ(マチ付き保存袋)にバナナを入れてつぶし、レーズンを入れて混ぜ合わせ、バッグの角を2cmほど切って絞り袋のようにして製氷皿に流し入れ、冷凍庫で約2時間冷やし固めた『キューブバナナアイス』もおすすめです」(スミフルジャパン)
手軽でおいしく体にもいい、冷たい「夏のバナナ」をさまざまな食べ方で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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