アメリカのジョー・バイデン大統領は7月21日(現地時間)、2024年の大統領選挙からの撤退を表明し、大統領選の民主党の後任候補にカマラ・ハリス副大統領を推薦すると発表した。
バイデン氏の民主党の指名獲得はほぼ間違いないとみられていたが、6月のテレビ討論会で風向きが変わっていた。
バイデン氏は21日、「仲間の民主党の皆さん、私は候補者としての指名を受諾せず、大統領としての残りの任期の職務に全力を注ぐことに決めました」とXに投稿して撤退の意向を伝えた。
「2020年に党の候補者に選ばれた時、最初に決めたのはカマラ・ハリス氏を副大統領に指名することで、それは私にとって最良の決断でした」
「今日、私はカマラを今年の大統領選挙の党候補者として全面的に支持し、推薦します。民主党員の皆さん、今こそ団結してトランプを打ち負かす時です。ともに闘おう」
バイデン氏は予備選挙で圧勝して、民主党の指名獲得をほぼ確実にしていた。
しかし、6月に開かれた共和党候補のトランプ前大統領とのテレビ討論会で、言葉を詰まらせるなど不安定なパフォーマンスを見せたことで、若い候補者に道を譲るべきだという声が民主党から続出。
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7月にトランプ氏の暗殺未遂事件が起きた後は、民主党議員の間で撤退を求める圧力が高まっていた。
バイデン氏が撤退を表明したことで、大統領選挙の様相が一変した。一方で、バイデン氏の支持表明により、ハリス氏が8月の民主党全国大会で指名される可能性が濃厚になっている。
民主党の他の候補者として、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事やカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事、ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事、ピート・ブティジェッジ運輸長官などの名前が挙がっている。
民主党議員の中には、党全国大会で指名争いをするよう求める声もある。その一方で、これまでの実績からハリス氏が相応しく、初の黒人副大統領である同氏を指名しなければ、黒人有権者の支持を得られなくなるだろうと懸念を示す人たちもいる。
ハリス氏は21日の声明で「大統領から支持を得られて光栄です。私は指名され、勝利するつもりです」と述べて立候補への意欲を示し、党の団結を誓った。
「私はこの1年、国内を巡り、この重要な選挙でなすべき明確な選択についてアメリカの人々と話してきました。選挙の日まで同じように対話を続けていきます」
「私はドナルド・トランプと彼の危険なプロジェクト2025を打ち負かすために、民主党と私たちの国を団結させることに全力を注ぎます。選挙まであと107日。ともに闘おう。そして、ともに勝利しましょう」
バイデン氏の撤退表明の後、共和党議員は攻撃の矛先をハリス氏に向けている。
共和党のリック・スコット連邦上院議員は「カマラ・ハリスを含むジョー・バイデンの側近は、彼が大統領にふさわしくないことを4年間知りながら、権力を維持し続けるためにアメリカ国民に嘘をついていた。バイデンが大統領としての能力がないことは、2021年の時点で痛いほど明らかだった」と声明で述べた。
スティーブ・スカリス下院院内総務は、「バイデン=ハリス政権だけが支持率が低いわけではない。政権全体が失敗であり、極端なアジェンダが勤勉な家庭を押しつぶし、記録的なインフレや史上最悪の国境危機を引き起こし、世界中を混乱に陥れている」とコメントしている。
ハフポストUS版の記事を翻訳します。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
バイデン氏、米大統領選挙からの撤退を表明。次期候補にハリス副大統領を推薦