「八幡」という地名、どう読みますか?やはた?はちまん?それともやわた…?
地図大手のゼンリンが6月21日、全国で「八幡」がどう読まれるかをまとめたマップを公開しました。
最も多かった「八幡」の読み方や、調査でどんな傾向が見えてきたのでしょうか?
ゼンリンの本社がある北九州市では、「八幡」は区名にもなっているほど身近な地名だそう。ちなみに、北九州の区の読み方は「やはた」です。
しかし、同じ漢字が京都では「八幡(やわた)市」に。滋賀県では「近江八幡(はちまん)市」、千葉県には「本八幡(もとやわた)駅」や「八幡宿(やわたじゅく)駅」という読み方もあります。
全国の地名を調べれば、「八幡」の読み方の一定の傾向がわかるのではないか――。
そんな期待から、保有する住所データをもとに八幡マップを完成させた、とゼンリンはハフポスト日本版の取材に答えました。
調査の結果、全国で見つかった八幡地名は1093件。一番多かったのは「はちまん」で、約60%にあたる637件がこの読み方でした。
また「やわた」は226件、「やはた」は225件とほぼ同数でした。
<ゼンリンが作った全国「八幡」地名読み方分布マップ>
この3つ以外も5件あり、それぞれ秋田県の八幡沼(はちまぬま)、静岡県の八幡(はつま)、三重県の八幡(やばた)、福島県の八幡(やあど)、愛媛県の八幡野(やたの)と読まれていました。
調査からは、「八幡」をめぐる興味深い傾向も見えてきたといいます。
1つは、八幡という地名が愛知県と東北東部(特に福島と宮城)に多かったこと。
八幡神は日本で信仰されている神様の一人です。ゼンリンは、愛知が日本一神社仏閣が多い県であることと、八幡地名の多さに関連があるのではと推測しています。
一方、東北については手がかりを得られていないそうですが、マップを見た人から「八幡太郎義家(源義家)が関係しているかも?」という声が多数寄せられたそうです。
<東北地方周辺の「八幡」地名>
また、調査から八幡地名の多くが国道に沿うように点在していることがわかりました。
特に過去「街道」と呼ばれた主要道路沿いに多く、中国地方では山陽側の国道2号沿いに「やはた」、山陰側の国道9号沿いに「やわた」が続いていました。
ゼンリンは「街道を通じて読み方が伝播したのかも?など深読みができそうです」と、八幡マップの楽しみ方を紹介しています。
<中国地方周辺の「八幡」地名>
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「八幡」はなんて読む?やはた?はちまん?全国地名で一番多い読み方をゼンリンが調査