今が旬。「サクランボ」の好みの品種が一目でわかるチャート表。美味しさのポイントは甘味と酸味

ウェザーニュース

2024/06/13 05:00 ウェザーニュース

今、真っ赤な宝石のようなさくらんぼが旬を迎えています。さくらんぼは旬が短いものの、早生(わせ)から晩生(おくて)へと次々と品種が入れ替わりながら5月から7月まで楽しめる果物です。

このさくらんぼ、品種によって味はもちろん、色や大きさなど個性がさまざまだそうです。詳しい話を、山形県天童市のさくらんぼ農家、ひろsmile農園の後藤広美さんに伺いました。

早生から晩生まで個性さまざま

さくらんぼというと、まっさきに『佐藤錦(さとうにしき)』を思い浮かべる方が多いと思います。

「『佐藤錦』の名前の由来は東根市の佐藤栄助さんによって品種改良されたので、のちに『佐藤さんがつくった』、『砂糖のように甘い』という2つの意味から名づけられたそうです。姿が美しくて味も良く、まさにさくらんぼの王者の風格がありますね」(後藤さん)

さくらんぼは「佐藤錦」以外にもたくさんの品種があります。

「さくらんぼは品種ごとに姿形も味も違って、それぞれ個性があります。一番早い早生種が5月下旬〜6月上旬に収穫期を迎えます。代表的なものに『紅(べに)さやか』『香夏錦(こうかにしき)』などがあります。

中生(なかて)種は6月中旬から下旬で『佐藤錦』『高砂(たかさご)』など、晩生種は7月上旬~中旬で『ナポレオン』『紅秀峰(べにしゅうほう)』『紅てまり』などがあります」(後藤さん)

甘さと酸っぱさを基準にしたチャート表

さくらんぼチャート

チャートを見るとあまり見かけない品種もありますが、それぞれ甘さや酸味も異なるようです。

「まずさくらんぼの代表選手ともいえる『佐藤錦』は真っ赤な色づきと光沢があり、甘さの中に適度な酸味が加わったジューシーなおいしさで知られています。

また、佐藤錦の突然変異で生まれた『黒佐藤錦』は、大きさや形は佐藤錦と同じですが、佐藤錦と比べると赤みが濃く、果肉はやや固め、糖度が高くて黒砂糖のような甘さで独特の風味があります」(後藤さん)

他にも甘さが強い品種として、『紅秀峰』があります。

「最近、佐藤錦と人気を二分するほど注目されています。その特徴は大粒で皮がパリッとしており、果肉も肉厚なのでしっかりした食感が味わえます。

変わったところでは完熟しても黄色い『月山錦(がっさんにしき)』があります。もともとは中国原産の大粒の品種で、皮は明るい黄色、形はハート型で果肉がやや固め、上品な甘さがあります。

以前はさくらんぼといえばこれ、ともいわれていた『ナポレオン』は『佐藤錦』の親にあたる品種です。果肉はやや固めでパリッとした食感、酸味がやや多く、さっぱりとした甘酸っぱさが楽しめます」(後藤さん)

おいしさは甘さとすっぱさのバランス

さくらんぼがおいしいと感じるポイントは甘さだけではないといいます。

「甘いだけだと飽きてしまうのです。さくらんぼのおいしさは、甘さはもちろんですが、甘さの中のすっぱさなど、そのバランスが大きく影響します。

気候、土地柄、木の年齢、収穫時期などさまざまな要因もありますが、おおよそどの品種もそれぞれが甘味と酸味のバランスの個性を持っています。甘みが強い方が好き、すっぱみが感じられる方がよいなど、人によって好みが分かれますので、お好みのものを探すとよいでしょう。

また、食感もおいしさの一つです。パリッとしたもの、やわらかくジューシーなものなどがありますので、いろいろ試してみるのも楽しいものです」(後藤さん)

さくらんぼは雨にあたるだけで皮が裂けてしまうほど繊細な果物で、非常に丁寧に育てられています。さくらんぼチャートを見ながら、お好みのさくらんぼを探してみてはいかがでしょうか。
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