水着のインナーに男児の「陰茎部」が挟まる事故に要注意。26年前から症例報告、出血したケースも

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子どもが大好きな水遊び。暑い日が続き、「じゃぶじゃぶ池」など公園の水遊び場に出かける日も出てきたのではないだろうか。

そんな時に注意しなければならないのが、「男児の陰茎部の皮膚が水着のインナー(メッシュ生地)に挟まる」事故だ。

国民生活センターは約20年前の2006年から情報提供しており、16年からは日本小児科学会も注意喚起を始めた。どのような点に注意すべきなのだろうか。

実際に起きた4つの事故

国民生活センターが2021年7月に発表した資料によると、陰茎部の皮膚が水着のインナーに挟まれた事故は、10年12月〜21年5月の約10年間に5件あった。

実際に起きた事故は次のとおり。

「水着を着用してアスレチックで遊んだ後、水着が脱げず、よく見ると陰茎部 の皮膚が水着に挟まっていた。水着は5時間ほど着ていた。挟まった部分が水疱のようになって取れなかったため、受診した」 (18年6月発生、5歳男児)

「海水浴のあと、男児の海水パンツを着替えさせようと、母親が後ろから海水パンツを下ろすと、男児が『痛い、痛い』と言った。インナーのメッシュ生地に陰茎部の皮膚が挟まれ、陰茎から出血していた」(17年8月発生、3歳男児)

「海水パンツのメッシュ生地に男児の陰茎部の皮膚が挟まり、脱げなくなった。医療機関で通院の必要があると診断された」 (20年8月発生、6歳男児)

「海水浴場で遊んだ後、父親が男児の水着を脱がそうとした際、陰茎部の皮膚がインナーのメッシュ生地に挟まってけがをした。病院から10日分の軟こうをもらった(18年8月発生、3歳男児)

陰茎の皮膚が水着のインナーに挟まれる事故に要注意

万が一挟まってしまった場合は

では、なぜこのような事故が起きるのか。

国民生活センターが専門家に聞いたところ、同種の事故は1998年頃から症例報告があり、なかには鎮静させた上で処置したり、成人でも起きたりしたことがあるという。

男児の皮膚が水着のインナーのメッシュ生地に密着すると、皮膚がメッシュの穴から外にはみ出し、圧迫を受け始める。局所的な静脈還流障害が起こり、静脈から水分が漏れ出すことで皮膚が徐々に腫れ上がる。

外部へはみ出した皮膚が腫れ上がると、はみ出していく力もより強くなるほか、メッシュが皮膚を強く圧迫して激しい痛みが起こる。このような状態になると、自らメッシュからはずすことは難しくなる。

もし挟まってしまった場合は、無理にはずそうとしたり、患部付近のメッシュを切り離したりしてはならない。子どもが痛がって動き、誤って皮膚などを傷つけてしまう恐れがある。

濡れている水着は重さもあり、振動などによって痛みが生じるため、患部のまわりのメッシュを安全な範囲で切り取り、挟まっているところを残したまま、医療機関を受診する必要がある。

このような事故に遭わないためには、できる限りインナーにメッシュ生地を使用した水着を子どもに着させないことも重要だ。

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