知ってる?弁当箱や水筒の正しい洗い方。菌を残さないためにはアレを外すのがポイント

2024/05/09 05:10 ウェザーニュース

新年度や新学期が始まり、新たな生活にもやっと慣れてきた時季になりました。会社や学校、あるいは行楽にお弁当や水筒を持っていく機会も多いと思います。

こうしたお弁当、フタを開けるのも楽しいものですが、これから気温が上がってくると、おかずやごはんの傷みが気になってきます。

傷みの原因はもちろん調理法にもありますが、弁当箱や水筒にもあるそうです。詳しい話を、エフコープ生活協同組合機関運営・広報部の光安さんに伺いました。

弁当箱の洗い方で菌数を調査

「まず弁当箱は、汁漏れを防ぐためにパッキンがついていることが多いので、プラスチック製でパッキン付きの新しい弁当箱を対象に、洗う条件を変えて4箇所の菌数を調査しました」(光安さん)

【検査方法】
パッキン付きの新しい弁当箱をステンレスたわしで傷つけ、菌がいる液に1晩浸けてからパッキンを「外す」「外さない」と、洗剤を変えて洗ってから自然乾燥させた後、お弁当箱の4箇所(パッキン、ふたの溝、四隅、底)の菌数を調査。

洗う前を100とした菌数の調査結果

洗う前の菌数を100として、条件を変えて洗い、洗浄後に弁当箱を自然乾燥させてから菌数の調査を行いました。

「パッキンを外さずに液体洗剤で洗浄したもの(A)では、パッキンと溝から菌を検出しました。パッキンを外さないで洗うと隙間に菌が残ってしまい、それが自然乾燥中に増えてしまったのが原因と考えられます。

その他の条件では、菌はほとんど確認できませんでした。洗った時点ですでに菌が洗い流されており、その後も菌は増えなかったと考えられます」(光安さん)

弁当箱を洗う際の注意点

お弁当箱の素材はプラスチック製、金属製、木製などさまざまですが、柔らかい素材の場合には注意が必要だそうです。

「プラスチックや木製など柔らかい素材の弁当箱は、研磨剤や研磨粒子が含まれるスポンジでゴシゴシこするのはNGです。研磨剤で素材に傷がつき、そこに菌が入り込んで増殖する原因となります。

まずはパッキンを外してから油汚れをキッチンペーパーなどで拭き取り、お湯に漬け置きするなどして汚れが落ちやすくなってから洗いましょう」(光安さん)

水筒の洗い方で菌数を調査

次にステンレス水筒を、洗い方を変えて菌数の調査をしました。

【調査方法】
ふた、パッキン、飲み口を分解できるステンレス製の水筒を、弁当箱同様1晩菌液に浸けてから洗浄方法を変えて洗浄。ふたと本体合わせて7カ所の菌数を調査。

ふたは分解しないと菌が残る

「まずふたですが、分解せずに液体洗剤で洗浄したもの(E)が最も多く菌が残っていました。また、分解しても液体洗剤(F)だと少し残りました」(光安さん)

本体は洗い残しに注意

「次に本体ですが、通常のスポンジで手が届くところまでしか洗わない(I)と、特に底に多く菌が残りました。これは洗い残しがあったためと思われます」(光安さん)

水筒を洗う際の注意点

「水筒は柄の長いスポンジを使うこと、柄の長いスポンジがなければ酸素系漂白剤を使うと効果的に洗うことができます。ただし、漂白剤といっても塩素系だとステンレスのサビの原因になるので気を付けてください」(光安さん)

菌を残さないようにするには

菌は水分や汚れを栄養にして増えます。

「弁当箱や水筒に限らず容器についた細かい傷や隙間などに残った汚れが菌の増殖につながるので、パッキンなど外せるものはすべて外して洗い、完全乾燥させることがポイントです。

また、手の届かないところは泡スプレーの洗剤や酸素系漂白剤に浸けるなどすると、効果的です」(光安さん)

これから気温が上がり、食材の傷みに気を付けたい時季になります。せっかくのお弁当をおいしく安全に食べるために、弁当箱や水筒の洗い方には気を配りましょう。

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