5月に入ると、家の塀やベランダ、公園の階段などさまざまなコンクリート壁に、体長1mmほどの小さな赤い虫がチョロチョロ動き回っているのを見ることがあります。
この虫は昆虫ではなくダニだと知っていますか?1980年代以降よく見るようになりましたが、謎が多いのです。
この時期、アース製薬へはタカラダニについて問い合わせが増えるそうです。
「毎年5月になると、小さな赤い虫について問い合わせが集中しますが、5月を過ぎると問い合わせは少なくなります」
タカラダニの問い合わせが5月に集中するのはなぜでしょうか。
「カベアナタカラダニのライフサイクルに関係しているのです。毎年春先に卵が孵化し、5月になると成ダニが出現するため、この時期によく見かけます。成ダニは産卵後に死亡し、7月以降はほとんど見られなくなります」
産卵場所は、屋上や地上敷地の壁面の隙間・割れ目です。このような狭い空間は温度や湿度の変化が少なく、アリやクモなどの外敵から身を守れます。卵のまま夏・秋・冬を越して翌年の春先に孵化するそうです。
「カベアナタカラダニは赤い虫なので、血を吸っているようにも見えますが、花粉や昆虫を摂食する雑食性のダニです。ブロック塀の壁面やコンクリートを這い回っている姿をよく目撃しますが、人の目では見えないような微細な花粉を食べにきていることもあるようです」
また、小さいため、窓や扉が閉まっていてもほんのわずかな隙間があれば室内に侵入することもあるようです。
「タカラダニはベランダなどから家の中に入ってくることがあります。さまざまな害虫を駆除するスプレータイプの駆除剤を使用するのがオススメです。待ち伏せ効果が1ヵ月持続するタイプなら直接噴霧しなくても家に侵入することを防げます」
ちなみにタカラダニという名前は、子どもたちがセミを捕っていたとき、セミの体に赤い小さな虫がたくさんついていると金持ちになれるといって喜んだのが由来と言われています。
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5月に増える「小さな赤い虫」の正体は?人を刺す?大量発生した時の対処法