フジコ・ヘミングさんの「ラ・カンパネラ」をもう一度聞きたい人へ。聴覚を失っても弾き続けた「忘れ得ないピアニスト」【動画】

アメリカ・ニューヨークのジャパン・ソサエティーで開かれたソロコンサートで優雅なピアノ演奏を披露するピアニストのフジコ・ヘミングさん=2015年

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世界的ピアニスト、フジコ・ヘミング(本名ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ)さんが4月21日に死去していたことが分かった。92歳だった。

フジコ・ヘミングのオフィシャルサイトが発表。2024年3月にすい臓がんと確定診断され療養を続けていたが、4月21日に容態が急変したという。

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オフィシャルサイトによると、ヘミングさんはスウェーデン人画家で建築家のジョスタ・ゲオルギー・ヘミングさんとピアニストの大月投網子さんの間に1932年、ベルリンで生まれた。ほどなく日本に帰国し、5歳から投網子さんの手ほどきでピアノを始めた。

東京芸大卒業後はドイツに留学。今世紀最大の作曲家で指揮者の一人と言われる、ブルーノ・マデルナさんに才能を認められ、ソリストとして契約するなど才能が認められていった。

しかし、「一流の証」となるリサイタルの直前に風邪をこじらせ、聴力を失ってしまう。失意の中、治療を続けながら音楽学校の教師の資格をとり、欧州各地でコンサート活動を続けた。

1999年に放映された、NHKのドキュメント番組『フジコ〜あるピアニストの軌跡〜』が大反響を呼び、ブームに。1999年に発売されたファーストCD『奇蹟のカンパネラ』がクラシック界で異例の大ヒットを記録した。

その後、モスクワフィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団などとの共演や、ニューヨーク・カーネギーホールでのリサイタルなど世界での活躍を続けた。

共演したアーティストから絶賛され、世界的なチェロ奏者のミシャ・マイスキーさんはヘミングさんを「忘れ得ないピアニスト」と形容している。

また、ヘミングさんは動物愛護を実践して保護猫を多数引きとったり、3.11東日本大震災復興支援チャリティーコンサートを開催したりするなど、人や動物への支援も続けてきた。

X上では「あらゆる生き物、特に弱者を照らす柔らかな光のような音色。どれだけ心救われたかわかりません」「僕のなかでは、フジコヘミングさんの『ラ・カンパネラ』がダントツで美しくて、感情豊かで大好き」「どれほどピアノを弾きたいという気持ちを抱えながら旅立ったのだろう」など、別れを惜しむ声が多数寄せられていた。

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