北海道を除いた地域で、玉ねぎが収穫期を迎えています。今の時季は、収穫したてのみずみずしい新玉ねぎと、皮が茶色く乾燥した玉ねぎの2種類が店頭に並んでいます。
玉ねぎについて知っておくと役立つ話を、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんとコープ北陸事業連合さんに伺いました。
玉ねぎの収穫時期は4~5月で、収穫してすぐ出荷するものと、収穫後乾燥させてから出荷するものがあります。
「今の時季は出荷してすぐの白い新玉ねぎが店頭に並びます。
玉ねぎは、『玉』の部分を食べる野菜ですが、縦半分に切ると1枚ずつ皮のように層になっているのがわかります。
この皮のようなものは『りん茎(りんけい)』と呼ばれる部分で、茎のまわりに養分を蓄えて厚くなった葉が何枚も重なって球状になったものです。つまり、私たちがふだん食べている『玉』は『葉』にあたる部分なのです」(吉田さん)
これから徐々に気温も湿度も上がっていく時季なので、保存が悪いと傷んでしまうそうです。
「玉ねぎは高温と湿気が苦手なので、常温で保存するなら袋から出してカゴやネットなどに移し、春までは風通しの良い冷暗所で保存してください。
また、夏場は冷蔵庫の野菜室に入れ、他の野菜の水分を吸収しないように、ポリ袋に入れて保存すると傷みは少なくなります。ただし、他の野菜と同様に玉ねぎもそう長くは保存できません。美味しいうちに食べ切るようにしましょう」(吉田さん)
玉ねぎの皮に時々黒いシミのようなものが付いているのを見かけます。このシミの正体についてコープ北陸事業連合さんに伺いました。
「黒いシミは玉ねぎによく見られる黒カビです。この黒カビは畑の土や種子にも存在していて、主に収穫した後、乾燥時に高温多湿の条件で発生する性質があります。
黒く見えるのはカビの胞子ですが、普通は玉ねぎの可食部であるりん茎まで入り込みません。そのため、茶色い皮をむいてから流水で洗うと、簡単に落ちます。カビの部分を取り除けば食べても問題はありません」(コープ北陸事業連合)
ただし、玉ねぎに傷などがある場合は、黒カビが中で広がってしまうおそれがあるようです。内部まで茶色っぽくなっている場合は腐敗している可能性があるため、食べないようにしてください。
玉ねぎには血液をサラサラにすると言われる「硫化アリル」、抗酸化作用を持つ「ケルセチン」、その他食物繊維、カリウムなど、重要な栄養成分が豊富に含まれています。今の時季だけ出回る新玉ねぎも合わせ、玉ねぎを上手に食生活に取り入れてみませんか。
【関連記事】
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
意外と知らない玉ねぎの豆知識。皮の黒いシミの正体は?夏場のベストな保存方法は?