朝採れのたけのこが手に入ったらぜひ作りたいのがたけのこご飯です。プロ直伝の技なら、家庭にある材料と炊飯器で極上の味に仕上がるといいます。
新しいアク抜き法は大根おろしで
この時期が旬の新鮮なたけのこは今しか味わえない贅沢。できるだけ美味しくいただきたいものです。
「料理には、加熱のタイミングや調味料の比率などの方程式があります。それを踏まえて調理すれば、家庭でも最高のたけのこご飯は可能」と、日本料理の名店、『分とく山』(わけとくやま・東京都港区)総料理長で、家庭でも実践できる料理の方程式を伝授している野﨑洋光(のざきひろみつ)さんは言います。
野﨑さんによると、旬のたけのこの美味しさを生かす1つめのポイントはアク抜きにあります。一般的なたけのこのアク抜きは、米ぬかと唐辛子とともに1時間以上ゆでて、そのまま一晩ほどおきます。
「私の考えた新しいアク抜き法は、塩を加えた大根おろしの汁に浸けておくだけです。大根の酵素の働きと塩の浸透圧により、アクがほどよく抜けます。たけのこが生のままでアク抜きできるので、春のたけのこの野生味をしっかり味わえます。
もう1つ、たけのこご飯を美味しく仕上げるには、油揚げの切り方も大切です。この2つで、たけのこの風味や歯ごたえがまったく変わってくるのです」(野﨑さん)
たけのこ(生):▼小1本(皮付きで250g)、▼大根おろしの汁:2+1/2カップ、▼水:2+1/2カップ、▼塩:小さじ2
【アク抜きの方法】
(1)ボールに大根おろしの汁、水、塩を合わせておく
(2)たけのこをよく洗い、皮ごと縦半分に切る。(1)に2時間浸ける。
「アクが強いたけのこの場合は、大根のおろし汁に2時間浸けた後、1Lの水に30gの米ぬかを入れ50℃の温度に保ちながら、そこにたけのこを15~20分浸してください。その後、ひと煮立ちさせて水洗いしてから切り、使用すると良いでしょう」(野﨑さん)
【材料】
▼生たけのこ(アク抜きしたもの):小1本、▼米:2合、▼油揚げ:1枚、▼水:1+1/2カップ、▼薄口しょうゆ:大さじ1、▼酒:大さじ1、▼木の芽:適宜
【作り方】
(1)米は洗って水に15分浸し、ザルに上げてさらに15分おく。
(2)たけのこの根元の堅い部分はいちょう切り、中ほどから穂先の柔かい部分は縦に切り、一度水から茹でて水気を切る(ひと煮立ちさせてアク抜きしたたけのこは下茹で不要)。
(3)油揚げはごく細かく切ったら、鍋に入れてひとゆでして、ザルに上げる。粗熱が取れたら、さらに水気を絞る。
(4)炊飯器に(1)を入れ、水、薄口しょうゆ、酒を加えて、さっとひと混ぜして、(3)の油揚げをのせたら、最後に(2)のたけのこを加える
(5)早炊きモードで炊く。炊き上がったら、そのまま4〜5分蒸す。
(6)好みで木の芽を散らす。包丁で叩いて香りを出し、盛り付ける直前に加え混ぜる。
「旬のたけのこは、風味と食感が身上です。たけのこを生のまま使い、油揚げは米粒となじむように細かく切ることで、たけのこの風味と食感が増します。
また、たけのこそのものの美味しさを生かすため、ごはんを炊くのはだしではなく水です。仕上げに木の芽など季節の香味野菜を支えば、季節感が増します。ぜひ、美味しさを存分に味わってください」(野﨑さん)
野﨑流たけのこご飯は、自宅で作ったとは思えない味に仕上がります。春の楽しみが増えそうです。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
たけのこの簡単なアク抜き方法とは?プロが教える美味しい「たけのこご飯」の作り方