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アラブ首長国連邦（UAE）は4月16日、記録的な豪雨となり、最大都市のドバイで主要道路や空港が冠水するなどした。UAE国営通信社WAMによると、24時間降水量は気象当局が観測を始めた1949年以降で最大といい、SNSには街や車が水没した様子を撮影した写真や動画が大量に出回っている。

そんな中、TikTokでは「ドバイの海岸近くに嵐と巨大な竜巻が発生した」といった趣旨の映像が大きく拡散している。しかし、ドバイで映像のような竜巻が発生したというニュースはなく、映像にも不自然な点がいくつかあることから、根拠不明だ。

ハフポスト日本版は、TikTokで拡散するこの映像をファクトチェックした。

8時間で4700を超える「いいね」

映像は4月19日（日本時間）、「Strong storm and tornado in Dubai（ドバイで強い嵐と竜巻が発生）」というタイトルで投稿され、8時間で4700を超える「いいね」が付いている。

映像の序盤（0〜3秒）に、海岸近くに発生した黒い巨大な竜巻が雷の音を出しながら街を飲み込んでいくような様子が映っており、コメント欄には、「omg（オーマイゴッド）」「いつ起こった？」「お守りください」などといった投稿がみられる。

しかし、ハフポストがネット上を調べたところ、4月19日午前10時現在で「ドバイの海岸近くに巨大な竜巻が発生した」というニュースは一つも見当たらなかった。この規模の竜巻が起きた場合、大きな人的被害が出ることも考えられるが、メディアが全く報じていないのは不自然だ。

このほかにもおかしな点がいくつかある。

巨大な竜巻が発生している手前のビーチには、複数の人の姿が見られるが、逃げる様子がない。むしろ、何事も起きていないかのように振る舞っている。また、雷も画面の左から右に走っており、空から地上に落ちていない。

これらのことから、序盤の映像は豪雨被害に便乗した「作り物の映像」である可能性が高い。

さらに、この映像をGoogleレンズで画像検索したところ、同様の映像が複数表示された。

例えば、3月20日に「The Worst Tornado ever in USA（アメリカ史上最悪の竜巻）」というキャプション付きで、2月8日に「California beach today disaster tornade（今日のカリフォルニアビーチの竜巻災害）」というキャプション付きで、TikTokにそれぞれ投稿されている。

つまり、この映像はドバイで豪雨災害が発生する前からTikTokで出回っており、少なくとも今回の豪雨災害とは関係のないものであることがわかる。また、作り物である可能性も高いため、根拠不明とした。

災害時に出回る偽情報には注意が必要だ。

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ハフポスト日本版は、2024年度からTikTokを中心にファクトチェックをしていきます。Xで拡散している偽情報も発信源はTikTokである場合が多いほか、大量の偽情報が出回っていることが見受けられるためです。随時、情報提供をお待ちしております。