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ランドセルの重さが原因で、小学生の3人に1人が通学時に肩や腰、背中などに痛みを訴えた経験がある──。
通学かばんや水着など学校用品を製造販売するフットマークが4月10日、ランドセルの重さなどに関する、2024年の意識調査の結果を発表した。
調査からは、ランドセルの重さが子どもの体に負担を与えている現状や、教科書を学校に置いておく「置き勉」を禁止している学校が少なくないことがわかった。
フットマークは、通学にランドセルを使用している全国の小学1〜3年生とその親1200組にオンラインで調査を実施した。(調査期間:2024年3月15〜21日)
調査の結果からは、小学生の91%が「ランドセルが重い」と感じ、保護者の87%もランドセルが重すぎるのではないかと感じていることが分かった。
ランドセルが重いと感じている小学生のうち、3人に1人は通学時に肩や腰、背中などに痛みを訴え、通学を嫌がったことがあった。これを「ランドセル症候群」と呼ぶという。
中身が入った状態でのランドセルの重さの平均は4.13kgで、昨年度の4.28kgよりは微減したが、それでも4kg以上はあり、成長期の身体に与える悪影響に懸念がある。
また、5kg以上6kg未満は13%、6kg以上7kg未満は7%いた。
ランドセルは購入時には中が空の状態で、中身を入れた際の重さを想定できないまま買う場合も多く、入学後にその重さに気づくという。
平均の重さが微減した背景としては、タブレット端末などを用いた「デジタル教科書」の導入が考えられる。
ランドセルが重くなってしまう理由の一つとして、教科書を学校に置いておく「置き勉」の禁止がある。
同社による2022年の調査では、回答者の41.7%が置き勉禁止を経験しており、今年の調査では31.5%と減少傾向にあるものの、禁止されていなくても持ち帰っている子どもが64%いるなどの現状も浮き彫りになった。
宿題などの家庭学習のために持ち帰っているケースがあるほか、「なんとなく持ち帰っている」という回答も上位にあがった。
文部科学省は2018年度、「児童生徒の携行品の重さや量について改めて検討し、必要に応じ適切な配慮を講じるようお願いする」と全国の教育委員会などに事務連絡を出している。しかし、現在でも教科書を全て持ち帰らざるをえない状況にある子どもがいる。
ランドセルメーカー各社も軽量化に努めている一方で、革製のランドセルは素材自体からして重い。そのため最近では、軽量な素材を用いた通学かばんも販売されている。
アウトドア用品の「モンベル」が、840デニール・ナイロンが素材の重さ930gの通学かばんを発売し、話題となった。
作業服や安全靴、衣類を取り扱う「ワークマン」も、バリスティックナイロンを用いた1300gのランドセルリュックを発売する。
重さ問題に対応するためにも、こうした軽量のリュック型の通学かばんが注目を集めている。
フットワークでも2022年に「RAKUSACK® JUNIOR」を発売。成長期の身体により負担がかかりにくい構造となっている。
ランドセルの重さが児童に及ぼす影響を研究する大正大学の白土健教授は、以下のようにコメントしている。
「9割近いお子様が重さを感じているというのが現状で、引き続き実態にそって解決策を見出していくことが重要です。ランドセル=革製という考え方以外にも多様な選択肢が生まれてきていることは良い傾向です。
今後も児童と保護者が数ある製品の中から、好みのものを選択でき、相棒のランドセルを背負い楽しく登校できる良い時代がますます広がっていくと推察します」
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ランドセルの重さで3人に1人が肩や背中の痛み。“置き勉禁止”も。解決の糸口は…?