「赤本」の表紙が約20年ぶりにリニューアル。「表紙の圧がすごい」から「風通しがいい」新デザインへ

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大学受験のバイブルである「赤本」の表紙が約20年ぶりにリニューアルされる。今年で創刊70周年を迎えることを受けたデザイン変更で、発行する京都市の出版社、世界思想社教学社が10日に発表した。

2006年から約20年間続いていた赤本のデザイン

 赤本として親しまれている「大学入試シリーズ」は、各大学から入試問題の提供を受け、全国の高校教員や予備校講師らに依頼して、解答例を作成している。1954年、「京大入試」「市立大・神大入試」「同志社・立命館入試」の3点で創刊された。

創刊して数年間は、表紙はまだ赤くなく、大学ごとにさまざまな色が使われていたという。1965年版からオレンジ色に統一され、柿色を経て、少しずつ色が濃くなり、赤みも増していった。77年版で、刊行ラインナップが400点を超えたあたりから、次第に「赤本」と呼ばれるようになったそうだ。

赤本の表紙デザインの変遷と現役受験生の年齢

 2024年版までの赤本の表紙は、2006年から約20年続くデザイン。書店で存在感を放つ真っ赤な赤本は、「志望校の赤本を買うとやる気が出る」などと好評だった一方、「大学名が目立ちすぎて持ち歩くのがちょっと恥ずかしい」「表紙の圧がすごい」といった声もあったという。

新たなデザインで重視したのは、「パッと見て赤本だとわかること」「受験のプレッシャーを与えないこと」「親しみを感じられること」の3点。従来の”赤本らしさ”でもある、赤地に黒いゴチック体の大学名などの要素は残しながら、「空白を設けて風通しをよくする」などの工夫を凝らしている。

リニューアルされた2025年版表紙(京都大学理系)

 また、京都市にある花園高校図書部の生徒にも意見を募り、デザインに反映したという。2025年版は、ミントグリーンの爽やかなカラーを取り入れたデザインになった。

2025年版の赤本は、2024年5月から順次刊行。表紙だけでなく、問題解答にツメを入れたり、見出しを大きくしたりと、本文も使用しやすさを重視しているそうだ。

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