「ヘルプマーク」を知っていますか?
赤地に白色の「+」と「♡」が描かれたマークで、外出先で見かけたことがあったり、すでに持っていたりする人も多いと思います。
このヘルプマークへの理解を促すために神戸市が作成したポスターが、ネット上で反響を呼んでいます。
ヘルプマークとは、義足や人工関節を使っている人、内部障がいや難病、妊娠初期の人など、外見からは援助や配慮を必要としていることが分かりにくい人が、援助を得やすくなるよう作られたマークです。
2012年から東京の都営地下鉄で配布がスタートし、現在は全ての都道府県に取り組みが広がっています。
内閣府は、ヘルプマークを身に着けた人を見かけた場合は、電車やバスで席を譲る・困っているようであれば声をかけるといった行動を取るよう求めています。
Xで話題となっている神戸市のポスターは、ヘルプマークを着けた15の例をイラストで紹介しています。義足、難病、妊娠初期の人に加え、発達障がい、聴覚過敏、失語症といった周りからは気づかれにくい障がいや疾患などのケースを挙げています。
「気づいてくださいヘルプのサイン」と記し、「ヘルプマークは外見からわからなくても配慮を必要としている方などが、そのことを周囲に知らせるためのマークです」と説明。マークを見かけた際、見守りや配慮ある行動を求めています。
神戸市によると、このポスターは2023年6月に作成し、市内の区役所や学校、市営地下鉄などに掲示されています。
同市では2018年からヘルプマークを導入しているものの、認知度の低さという課題を抱えていました。
障がいのある人を対象にした同市の調査(有効回答数5062件、2019年)では、ヘルプマークや緊急連絡先などが書かれたヘルプカードを知っている人は約3割にとどまっていました。そこで、認知度を高める取り組みの一つとして、ポスターをリニューアルしたといいます。
ポスターを刷新するにあたって、特に重視したのは「見た目では分からないけれど、配慮を必要としている人がいることを視覚的に表現する」という点。デザイン会社に委託し、身体・精神障がい者、難病患者などの当事者団体や支援団体に意見を聞いた上で制作しました。
X上で「すごく分かりやすい」「とても良い啓発ポスター」などと称賛する声が集まっていることに対し、神戸市障害福祉課は「ポスターが注目されることはうれしく、マークの認知が進むことにつながります」と話します。
一方で、デザインの改善を求める指摘も上がっているとして、同課は「今後リニューアルする際には、ネガティブなご意見も踏まえてデザインを考えたいです」と説明しています。
神戸市はヘルプマークと併せ、緊急連絡先や必要な支援内容が記載された「ヘルプカード」が災害時などで役に立つとして、カードの利用も呼びかけています。外出時にカードを携帯しておくことで、いざという時に自分の障がいや疾患の特性のほか、どんな配慮を必要としているのかを周囲に伝えることができます。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「外見からわからなくても…」神戸市の「ヘルプマーク」ポスターに称賛続々。どうやって生まれたの?