【合わせて読みたい】判決要旨全文:東京地裁が「違憲状態」と判断した理由は? (結婚の平等裁判)
「法律上同性カップルの結婚が認められないのは憲法違反だ」として、性的マイノリティ当事者が国を訴えていた裁判で、東京地裁(飛澤知行裁判長)は3月14日、「婚姻や家族の法律は、個人の尊厳に立脚して制定すべき」と定めた憲法24条2項に違反する状態との判断を示した。
原告が求める「違憲」の訴えは退けられたが、「違憲状態」という判断が示された。
判決で示された「違憲状態」とは何か。
デジタル大辞泉によると、「違憲状態」とは法律や制度などが憲法の趣旨に反している状態を指す。一方、「
違憲」は憲法の規定に違反することだ。
これまで国政選挙における「1票の格差」問題についての裁判では、「違憲状態」と指摘する判決が下されてきた。
朝日新聞デジタルによると、2022年7月の参院選については、全16件の高裁判決のうち、「違憲状態」が8件出されている。
この裁判の「違憲状態」とは、デジタル大辞泉によると「投票価値の不平等が憲法の求める選挙権の平等に反する状態にあるが、それを是正するために必要な合理的期間を経過していない状態をいう」。
例えば2022年11月16日付の朝日新聞によると、上述した参院選の「一票の格差」訴訟で「違憲状態」とする判決を出した札幌高裁は「制度見直しには時間を要する」などとして違憲とまでは踏み込まなかったという。
つまりこの場合の「違憲状態」は、是正は必要な状況であることは指摘しつつ、是正するためには時間もかかるため、現状では「違憲」とまでは言えない状態といえる。