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小学生以下の子どもがいる家庭の家事・育児分担の割合は「男性3割・女性7割」が最多ーー。人材サービス大手「エン・ジャパン」が実施した「子育て期の家事・育児分担」実態調査で、こんな結果が明らかになった。
一方、過去と比較すると、女性に家事・育児が偏っている家庭は減っているという。
調査は2023年11月10日〜24年1月9日、インターネット上で行われ、ミドル世代向け転職サイト「ミドルの転職」を利用する1712人(35歳以上)が回答した。
78%が「配偶者(事実婚含む)」がおり、68%が「子どもがいる」と答え、そのうち「未就学児の長子(最初に生まれた子ども)がいる」人は7%、「小学生の長子がいる」人は11%、「中学生以上の長子がいる」人は50%だった。
まず、「未就学の長子がいる」「小学生の長子がいる」と回答した30〜50歳代の人に「今の『家事・育児の分担割合』はどれくらいですか?」と聞いた。
すると、「男性3割・女性7割」が25%で最も多く、「男性2割・女性8割」が20%、「男性4割・女性6割」と「男性5割・女性5割」がそれぞれ14%と続いた。「女性10割」も6%いた。
6〜10割の家事・育児を担っている女性の割合を足すと、78%に上る。
次に、「中学生以上の長子がいる」と回答した40〜60歳代の人に、「子どもが未就学・小学生の頃の家事・育児の分担割合はどれくらいだったか」と尋ねた。
「男性1割・女性9割」が28%で最多となり、続いて「男性2割・女性8割」が25%、「男性3割・女性7割」が22%と続いた。「女性10割」は8%だった。
過去の家事・育児の分担状況を問う質問だが、6〜10割の家事・育児を担っている女性の割合を足すと、90%になった。
つまり、「現在子どもが小学生以下の家庭」(78%)と「過去子どもが小学生以下だった家庭」(90%)を比べると、家事・育児が女性に偏っている家庭は過去より12ポイント減少したことがわかる。
また、子どもがいると回答した人に、「子どもが未就学・小学生時期の家事・育児の分担割合について、どう感じているか(いたか)」と聞いたところ、「良かった」と答えた層は50%だった。
年代別では、30歳代が61%、40歳代が52%、50歳代と60歳代がそれぞれ48%だった。男女別では、男性が52%、女性が32%と、女性は男性より20ポイントも少ない結果となった。
では、家事・育児の分担はどのようにしたらうまくいくのだろうか。
子どもが小学生以下の時の家事・育児分担の割合について、「良かった」と答えた層にうまくいくポイントを聞いた結果、「お互いの得意不得意を把握し、家事・育児を分担する」が52%で最も多かった。
続いて、「自分の身の回りのことは自分でやる」が48%、「休日は子どもとたくさん遊ぶ」が45%、「普段から家事・育児について話し合う」が44%などだった。
反対に、「良くなかった」と答えた層にうまくいかなかったポイントを聞いたところ、「家にいる時間の長い方が家事・育児を多く担う」が47%で最も多かった。
続いて、「ワンオペ育児や家事・育児時間に偏りがある」が32%、「テレワークやフレックスなどの制度がない(使えない)」と「休日は仕事の疲れで寝てしまう」がそれぞれ29%、「普段から家事・育児について話し合わない」が25%などだった。
さらに、家事・育児分担の男女格差が大きい日本の現状をどう考えるかと尋ねた。
全体では、「男女格差はなくすべき」が49%、「ある程度の男女格差は仕方がない」が39%だった。男女別で見ると、「男女格差はなくすべき」と回答したのは、男性が48%、女性が58%と、女性は男性よりも10ポイント高い結果となった。
「男女格差はなくすべき」と回答した人からは、「今後は親の介護なども出てくるため、今からしっかり分担しておくべき」(30歳代男性)や、「出産後も女性が変わらず仕事に打ち込める環境が必要」(40歳代女性)、「より快適に生活できるようになり、その分の時間を子どもにかけてあげられる」(50歳代女性)などの声が上がっていた。
「ある程度の男女格差は仕方がない」と回答した人からは、「実態として社会が追いついていない」(30歳代男性)、「子どもを産めるのは女性だけという時点で完全に平等にすることは難しい」(40歳代女性)、「家事や育児分担だけではなく、収入とのバランスだと考えるから」(50歳代女性)といった意見もあったという。
「男女格差があるのは当然だ」と回答した人は、「これらの『平等』は女性の権利獲得だけでなく、多くの男性が背負っている責任や不利益も同様に担うつもりが女性側になければ成立しない」(40代男性)、「共働きであれば収入に応じて家事も分担すべき」(40歳代男性)、「何でも平等と言うのは本当の平等ではない」(50歳代男性)などと記述していた。
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