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東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被害と現状を伝えるパネル展が、東京消防庁の「消防博物館」(東京都新宿区)で開かれている。
災害の実態や復興への歩みを展示する福島県の「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)の出張展で、3月17日まで無料で見ることができる。
東日本大震災・原子力災害伝承館は、2020年9月に開館。地震や津波、原発事故の記録と記憶を後世に伝えるため、展示や被災した住民による語り部講和などを開いている。
今回、震災と原発事故から13年という節目に合わせ、被災地で消防・救助活動に尽力した東京消防庁の関連施設で初めて出張展を開くことにした。
消防博物館を訪れると、まず8枚のパネルが目に飛び込んでくる。
人的被害や避難指示区域の再編、避難者の推移などを説明したものや、津波に流されて大きく損壊した列車、爆発した建屋に注水する消防車の様子などが写されている。
なかでも、津波が来た時に避難を呼びかけていた消防車の写真パネルは衝撃的だ。運転席がある前方部がぺしゃんこに潰れており、津波の威力を物語っている。
また、2017年6月に撮影されたという双葉町役場の張り紙には、「福島第一原発10km以内区域のため室内待機となります」と書かれ、「外出しないで下さい」の文字の下に赤線が引いてあった。
原発事故から6年が過ぎても、町の95%が帰還困難区域に指定された双葉町では時が止まった状態だったことがわかる。
また、出張展では、津波漂着物などの実物も展示されている。
「楢葉町消防団」と記載されたヘルメットや鍵盤ハーモニカ、「つるし雛(びな)」を見に行った時のものと思われる記念写真などが置かれ、「大切な思い出の品だと思われますが、破損が激しく、持ち主を見つけることができません」と書かれていた。
オフサイトセンター(国の災害対策本部)に設置されていた、原発の異常を一斉通報するための機材などもあった。
出張展は、3月17日まで(月曜休館)。午前9時30分〜午後5時(最終入館は午後4時30分)。入場無料。
消防博物館の所在地は東京都新宿区四谷3丁目10番。1階の受付で入館証を受け取る必要がある。
明治時代から現在に至るまでの消火道具や消防ポンプ、防火衣などを展示する東京消防庁の展示物も見ることができる。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
震災・原発事故の被害と現状伝える…消防博物館でパネル展、津波漂着物の実物の展示も