キャベツは1年中出回っているので、旬があまり意識できない野菜の一つといえます。しかし、もともとはヨーロッパの地中海・大西洋沿岸の比較的冷涼な気候の土地が原産であるため、15~20℃程度の気温を好む性質がありました
「夏場は栽培が難しかったキャベツですが、暑さにも強い品種を作り出すことで1年中収穫することができるようになったのです」という野菜ソムリエプロの吉田謹子さんは次のように続けます。
「季節に応じて、冬キャベツ(11月~3月ごろ)春キャベツ(4月~6月ごろ)、夏(夏秋)キャベツ(7月~10月ごろ)という、それぞれの気温にあった品種、また異なった産地から途切れることなく流通しています。
今年は特に気温の上昇した日が多く、本来は4月ごろからの春キャベツの出荷も早くなっていて、すでに出回り始めています。店頭には葉がまっすぐで固くしっかり巻いた冬キャベツと、葉がカールしてふわっと巻いた春キャベツが混在しています」(吉田さん)
冬キャベツと春キャベツでは、見た目も少し異なりますが、美味しいキャベツを見分けるポイントはありますか?
「冬キャベツ、春キャベツに関わらず、キャベツ全体で良いものを選ぶには、まず芯を見てください。
切り口が白くてみずみずしく割れたりしていないものを選びましょう。また、丸ごと買う場合は、芯の大きさが直径500円玉程度までのものがオススメです。芯が大きく育ちすぎているものは葉の軸が太くて固いので食感が良くありません。また小さすぎるものは未熟で、巻きがゆるくスカスカしている傾向があります。
次に冬キャベツですが、外葉が濃い緑で、全体的に葉の巻きがしっかりと固く、ずっしりと重みのあるものがオススメです。丸ごと買う場合は、外側の葉が反り返っているものが鮮度の良い証です。
春キャベツは、冬キャベツとは逆で巻きがふんわりしていて、見た目より軽い感じがし、葉が薄く柔らかいものの方が美味しいとされています。
また春キャベツの場合、芯が育って頭がとんがり、全体の形が三角すいのようになっているものがあります。これは育ちすぎで固くなっている可能性があるので避けた方が無難です」(吉田さん)
寒い時季に出回るキャベツの中に、上部が紫色になっているものを見かけることがあります。これは食べても大丈夫でしょうか。
「冬のキャベツで紫色に変色した部分は、冬場の寒さでポリフェノールの一種、アントシアニンが生成された部分です。
これは冬の野菜、ブロッコリーなどにもみられますが、寒さから自身を守るために起きる現象です。
アントシアニンが生成されたキャベツは甘味が強い傾向にあるので、紫色になったキャベツを見つけたら、避けるのではなく、むしろラッキーに感じていただいた方が良いと思います」(吉田さん)
これから冬キャベツから春キャベツに入れ替わっていきますが、どちらのキャベツにも胃腸障害を予防改善するとされるビタミンU、ビタミンCやカロテンなどが含まれています。生でも加熱しても美味しいキャベツをそれぞれの個性に応じて美味しくいただきましょう。
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知ってる?新鮮で美味しいキャベツの選び方。紫色の葉のものは「むしろラッキー」