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アイスバー「ガリガリ君」のメーカー赤城乳業が、「ソフト君 伝説のプレミアムキャラメル」を2月13日に発売した。
氷の粒が気持ちよい「ガリガリ君」とちがって、「ソフト君」はソフトクリームのような柔らかさが特徴だ。
かき氷系が得意なアイスの会社が、いつの間にか、乳成分たっぷりのねっとりソフト系で攻勢をかけていた。
赤城乳業によると、「ソフト君」は2021年、「ガリガリ君」の40周年記念商品として世に送り出した。「ガリガリ君のいとこ」という位置付けで、これまでに「ミルク」「チョコ」「ロイヤルミルクティー」味を販売。キャラメル味は4種類目になるという。
一般に「アイス」と呼ばれるお菓子は、製品に含まれる乳成分の量によって四つの種類に分かれる。多い方から①アイスクリーム②アイスミルク③ラクトアイス④氷菓――に分類されるのだ。
「ガリガリ君」は「氷菓」に分類される。「ガリガリ君 ソーダ味」の栄養成分表示を見ると、1本あたりに含まれる脂質の量は0グラムとなっていた。
これに対し、「ソフト君」は乳成分が最も多い「アイスクムリーム」に分類される。キャラメル味の脂質の量は10.3グラムとなっていた。
「リッチで濃厚な味わいのアイスクリームは、カップに入っていることが多いですよね。バーにしたタイプはあまり見かけないと思って商品化しました」(同社マーケティング部)
さっそく買って食べてみた。パッケージのキャラクターは「ガリガリ君」とは正反対のおちょぼ口。四角いアイスバーの形は共通しているが、一口かじると、ソフトでねっとりとした歯ごたえがある。
2層構造になっていて、外はビターキャラメルアイス、中はミルクキャラメル氷と、2種類の味と食感を楽しめる。
値段は「ガリガリ君」と比べると高めで希望小売価格216円(税込)。「ガリガリ君」は3月に税別70円から同80円に値上げされるが、それよりもまだ高く、3倍近い値段がする。
社名に「乳業」の由来は
赤城乳業の本社は埼玉県北部の深谷市にある。社名は本社から望む赤城山(群馬県)に由来する。
会社設立から3年後の1964(昭和39)年、カップ入りのかき氷「赤城しぐれ」を発売し、これがヒット商品となった。「ガリガリ君」の発売は81年。「子どもが遊びながら片手で食べられるようなかき氷のバー商品が作れないか」という考えのもとで開発されたという。
同社の看板商品はずっとかき氷だった。社名に「乳業」と入っている理由をたずねると、「諸説あるのですが、創業者の『自前の牧場を持つような大きな会社にしたい』という夢が込められていると言われています」と説明する。
同社の売り上げはこのところずっと伸びており、22年には500億円を突破した。「ガリガリ君」の販売本数は年間4億本にのぼる。
同社は近年、乳成分を多く含む商品にも力を入れている。2月20日に発売されたアイスクリーム「かじるバター&クッキー」は、パッケージに牛の形のクッキーを配し、社名の「赤城乳業」を大きな文字で示している。
「自前の牧場を持つ」という夢は今のところ形になっていない。だが、アイスクリーム系の商品は年々充実させてきている。会社の成長とともに、「乳業」の社名に近づいていると言えそうだ。
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あの「ガリガリ君」の会社が、いつの間にかねっとり系アイスで攻めていた。「ソフト君」新商品発売