<関連記事>「軍事企業でなくともジェノサイドや植民地化に加担の可能性」ビジネスと人権の専門家が、イスラエルと取引する日本企業に警鐘
「誰も殺すな」「Free Palestina(パレスチナを解放せよ)」━。
イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ南部・ラファへの侵攻に抗議し、日本政府にイスラエルに対する経済制裁や停戦を求める「ラファに手を出すな!全国連帯デモ」が2月18日、札幌や東京、新潟、大阪、福岡など全国の20カ所以上で開催された。
ガザの人口約230万人のうち、140万人ほどが避難しているラファに対しイスラエル軍が空爆を行い、子どもを含む多数の市民が殺害されている。
この日、東京・新宿駅前で行われたデモには約2000人(呼びかけ団体発表)が集まり、「今すぐ停戦」「虐殺やめろ」などと声を上げた。デモの冒頭で、参加者たちはイスラエルの攻撃で命を奪われたパレスチナの人たちを悼み、黙祷を捧げた。
ガザ侵攻を巡っては、イスラエルの軍事企業と提携する日本企業への抗議活動が広がっていた。
伊藤忠商事は2月5日、子会社の伊藤忠アビエーションとイスラエル軍事大手エルビット・システムズと締結していた協力覚書(MOU)を2月中に終了すると発表。さらに、日本エヤークラフトサプライも9日、エルビット・システムズとの協力覚書を2月末をめどに終えることを表明している。
新宿であったデモの呼びかけ団体の一つで、伊藤忠商事や日本エヤークラフトサプライに対して契約破棄を求める署名キャンペーンに取り組んだ「<パレスチナ>を生きる人々を想う学生若者有志の会」の皆本夏樹さんは、2社がMOU終了を決定したことについて「私たちは市民の力で企業を動かしました。これは大きな勝利です」と語った。
一方で、皆本さんは「しかしガザの現実は刻一刻と悪くなっています」と続け、「日本政府は(イスラエルによるラファへの軍事行動について)懸念を示すだけで、停戦要求も経済制裁もしていません」と指摘した。
日本政府が、パレスチナ人の救済や人道支援にあたる「国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)」への資金拠出を停止したことに触れ、「これはイスラエルによる飢えを使った虐殺への加担であり、パレスチナ人に対する集団的懲罰、戦争犯罪です」と強調した。
別の参加者はスピーチで、「これは戦争ではありません。これはジェノサイドであり、民族浄化です」と訴えた。
ラファへの軍事作戦に対し、国際社会で懸念の声が広がっているが、イスラエルのネタニヤフ首相は17日、ラファ侵攻を改めて宣言した。
国連のマーティン・グリフィス事務次長(人道問題担当)は2月13日の声明で、「ガザの人口の半分以上(100万人を優に超える人)がラファに詰め込まれ、死を目の前にしている。食べるものもほとんどなく、医療的ケアもほぼ受けられず、寝る場所も安全な場所もない」と訴えた。
グリフィス氏は、ラファでの軍事作戦は虐殺につながる可能性があり、「ただでさえ脆弱な人道支援活動を死の扉へと追いやることにもなりかねない」と警鐘を鳴らした。
イスラエルによるガザ攻撃に抗議し、停戦を求める運動はイタリア、アメリカなど世界各地に広がっている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「虐殺やめろ」「ラファに手を出すな」イスラエルのパレスチナ侵攻に抗議のデモ、全国で一斉開催