アップルはヨーロッパでアプリの扱いに関して、大きな変更を発表しました。これには、初めてサードパーティ(第三者)のアプリストアをiPhoneやiPadで利用できるようにする計画や、アップルのアプリストアの手数料を大幅に削減することが含まれていると、CNNは報じています。
ソニーのウォークマンとiPodの最大の違いは”iTunes Store”で、製品とアプリやコンテンツの販売形態にエコシステムをもたらしたことでした。iPhoneとApp Storeの構図でも、このビジネスモデルの強さが続いています。
しかし今回の変更は、15年前に始まったアップル独自のアプリストア以来、最も重要な変更と言えます。
そもそもEUは長い間、デジタル市場における独占的な慣行に注目してきました。Appleは、その独自のアプリストアと、他のアプリストアや決済システムへのアクセスを制限することにより、独占的な慣行をしていると見なされてきたわけですね。
EUは、このような慣行が競争を阻害し、消費者に不利益をもたらす可能性があると考えているからこそ、強硬姿勢を取り、交渉してきたわけですね。
そのような交渉を経て、Appleは今回、初めてサードパーティ(第三者)のアプリストアをiPhoneやiPadで利用できるようにする計画を発表したわけですね。
Appleが許可しないアプリを落とせるようにiPhoneを改造することを「脱獄」(Jailbreak)と表現してきたほど、Apple経済圏は閉じられてきたわけですが、ついに開放されるとしたらやはり大事件です!
そんなこんなで、欧州連合(EU)の政策立案者の交渉により、アップルのビジネス慣行を変更させることに成功。アップルは、サードパーティのアプリストアを自社のエコシステム外のウェブサイトからダウンロードできるようにし、アプリ内トランザクションの手数料を30%から17%、また一部の開発者には15%から10%に削減すると発表しました。
…とのことですが、ちょっとまって?
独自のアプリストア経由のダウンロードでも、アプリ課金をするには17%の手数料が発生するとのことです。え、独自ということは完全にApple経済圏から離れる存在かと思いきや、ガッツリ取り込まれていますね。17%も、まだまだ大きい%だと思うのですよね。
独自のアプリストアからダウンロードを促せる、影響力の強いゲームパブリッシャーからすれば朗報かもしれません。自分の力でお客さんを呼び決めますからね。
しかし、恐らくパブリッシャーの大半、草の根のように広がる小規模事業者からすればあまり恩恵は受けられないのかもしれませんね。
EU経済圏のユーザーは、今年3月にリリースされるiOSの次期バージョン、17.4でこれらの新機能にアクセスできるようになるとのこと。
一方で、アップルはアメリカでは現状一の運用を続ける予定とのことで、一部の開発者や団体からは不満の声も上がっています。そりゃそうだ!というか日本もどうにかしてくれ…!
とはいえ、アップルのこの変更はデジタルマーケットにおける競争と公平性を高める重要な一歩ではありますね。グローバルな規模での均一性が求められたり、不平不満がでてくるかもしれませんが、「まずは一歩前進」といったところなのでしょうか。
あなたは、どちらが勝者だと思いますか?
SOURCE:Apple announces sweeping changes for apps in Europe, including allowing third-party app stores for the first time | CNN Business
https://edition.cnn.com/2024/01/25/tech/apple-europe-third-party-app-stores/index.html
オリジナルサイトで読む : AppBank
アップル税30%が17%になってヨーロッパ大勝利!?いや、よく考えると…?