冬からスーパーなどでは、いちごが数多く店頭に並んでいるのを見かけます。ひと口にいちごといっても、さまざまな品種があり、味や形、果肉の固さなどに個性があるそうです。
詳しい話を、いちご苗を生産販売する三好アグリテック株式会社の坂口公敏さんに伺いました。
日本人はいちごが大好き
日本ではすでに絶えてしまった種類も含めて、これまで約250種類も栽培されたことがあるようで、この数は世界のいちごの品種の約9割にあたるといいます。『日本人が好きな果物ランキング』(NHK放送文化研究所世論調査部)でも、いちごは堂々の第1位、日本人の75%が好むという結果が出ています。
「種類が豊富ないちごにはそれぞれ甘味、酸味、果肉の固さ、果肉の色などに個性があります。この“いちごチャート”は、うちで生産しているいちごの甘さとすっぱさをチャート化し、いちごを選ぶ際の目安にしたものです」(坂口さん)
チャートを見ると、昔よく見かけた「女峰」は、今とてもポピュラーな「とちおとめ」と比べて甘さが少なく、少しすっぱいようです。
甘さの反対はすっぱさではない
「いちごの味は、大きく分けると甘さとすっぱさになりますが、甘さの反対がすっぱさではありません。つまり、甘さが強くてもすっぱさもある品種、たとえば『よつぼし』などは “味が濃い”と表現されます。
ただ甘いだけではなく、すっぱさが加わって初めていちごは甘さが立っておいしいと感じられるのです。このすっぱさの程度は好みが分かれるところです。甘めであまりすっぱくないいちごが好きという方は『おいCベリー』などがおすすめです」(坂口さん)
味の違いだけでなく果肉の固さもポイント
いちごはそのまま食べるだけでなく、ケーキなどに使うことも多い果物です。食べ方の違いによってどのように選んだらよいでしょうか。
「ケーキなど甘い生クリームを使うスイーツにはややすっぱめのいちごの方がおいしく感じられますが、味だけでなく、品種による果肉の固さも食べ方の違いに出てきます。
たとえば『章姫(あきひめ)』はとても果肉が柔らかく生食にむいているので、観光農園で人気のある品種です。柔らかいと形が崩れやすいのでスイーツなどにはあまりむいていないということになります。
逆に、果肉の固い品種である『やよいひめ』『とちおとめ』などは形が崩れにくくケーキに向いています。特に『やよいひめ』は断面も赤いので、スイーツに入れるととてもきれいな色になります」(坂口さん)
100g中に含まれるビタミンC含有量はレモン果汁(50mg)よりも多いいちご(62mg)。その他にもカルシウム、葉酸、カリウム、マグネシウム、食物繊維など、豊富な栄養素が含まれているので、美肌効果だけでなく風邪予防にもよいといわれています。
果物として人気のあるいちご。いちごチャートを参考にして自分好みの品種を見つけられると、購入する際にどのいちごを買うか、迷わなくても済みそうですね。食卓に積極的にいちごを取り入れて、本格的に寒さが厳しくなった冬を乗り切りましょう。
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