自身を起用した広告が「典型的な性的対象の表現だ」という理由で禁止されたイギリスのシンガーソングライター・FKAツイッグスさんが、「ダブルスタンダード」だと決定を非難した。
イギリスの広告基準局(ASA)が禁止したのは、2023年のカルバン・クラインのキャンペーン広告だ。
FKAツイッグスさんはこの広告で肩からシャツを羽織り、体半分を露出している。写真はアーティストのマート・アラスさんとマーカス・ピゴットさんが撮影した。
1年近く前に発表されたものだが、ASAは2024年1月、「被写体を性的に描いている」という理由で、この広告を禁止した。
ASAは声明で「広告は裸体を使用し、服装よりもFKAツイッグスの身体的特徴に焦点を当てて、彼女を典型的な性的対象としている」と述べている。
他にも「宣伝されている服よりもモデルの身体に視聴者を注目させる」「無責任で、深刻な不快感を与える可能性が高い 」といった点を問題視している。
その一方で、ケンダル・ジェンナーさんが胸部分を手で覆うカルバン・クラインの広告については、「性的対象として描かれていない」として、ランジェリー広告の許容範囲内だと判断した。
FKAツイッグスさんは1月11日、禁止された広告の写真をInstagramに投稿して、「彼らが貼った『典型的な性的対象』というレッテルが私には見えない。私の目に映るのは、あなたが想像する以上に多くの痛みを乗り越えてきた、美しく強い有色人種の女性です」と決定を非難した。
カルバン・クラインは、FKAツイッグスさんとジェンナーさん両方のキャンペーン広告について「卑猥ではなく、カルバン・クライン・ブランドに共感する、自信にあふれた力強い2人の女性であり、広告には進歩的で啓蒙的なメッセージが含まれている」と声明で述べている。
カルバン・クラインは、ブリーフのみを着用してニューヨークの屋上でポーズをとるジェレミー・アレン・ホワイトさん起用のキャンペーン広告を2024年1月に発表したばかりだ。
FKAツイッグスさんは、ジェンナーさんやホワイトさんの名前は出していないものの「過去や現在の類似のキャンペーンを見返せば、ダブルスタンダードがあるとしか考えられない」とも述べている。
「私は自分の身体に誇りを持っており、ジョセフィン・ベイカーやアーサー・キット、グレイス・ジョーンズのような女性たちのように、自分の体で芸術を作り出します。彼女たちは、エンパワーメントのための壁を打ち破り、独自の官能性を具現化しました」
「私が望むように自分を表現できる空間を提供してくれたカルバン・クラインやマート、マーカスに感謝します――私は自分の伝え方を変えるつもりはありません」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
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半身ヌードの広告禁止は「ダブルスタンダード」。英アーティストが決定を批判