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東京都は12月25日、「『痴漢撲滅プロジェクト』痴漢被害実態把握調査」の結果を公表した。
女性の4割超、男性の約1割がこれまで痴漢被害にあったことがあると回答したほか、被害者の4割が痴漢にあった際、我慢したり、何もできなかったりしたことが判明。
電車内で被害に遭いやすい時期、時間帯、場所もわかった。
調査は2023年8〜10月、ウェブとヒアリングで行い、1都3県(千葉、神奈川、埼玉)に住む16〜69歳の男女8284人から有効回答があった。
その結果、痴漢被害の経験があると答えた人は2475人(29.9%)に上った。内訳は、女性が4750人中2156人(遭遇率45.4%)と最も多く、男性が3474人中298人(同8.6%)、Xジェンダー・ノンバイナリー56人中が20人(同35.7%)、その他が4人中1人(25%)だった。
痴漢に遭った場所は、2475人のうち2243人が「電車内・駅構内」と回答。「バス内」や「路上」、「商業施設・店舗」より突出して多かった。
電車内で最初に痴漢被害に遭った時の職業・学校は、「高校生」が733人(36.5%)と最多で、「会社員・公務員」が380人(18.9%)、「大学生・大学院生」が378人(18.8%)と続いた。「小学生」も100人(5.0%)いた。
電車内で痴漢被害にあった時間帯は、「午前7〜8時」が641人(31.9%)と最も多く、「同8〜9時」は354人(17.6%)、「午後6〜7時」が147人(7.3%)、同7〜8時が123人(6.1%)など。時期は、7月の318人(15.8%)、6月の303人(15.1%)、5月の287人(14.3%)、4月の234人(11.6%)が目立った。
つまり、軽装の時期や新学期・新年度に被害に遭っている人が多いということだ。
それでは、電車内で痴漢被害に遭いやすい場所はどこだろうか。
電車内で痴漢被害にあったことがある2010人のうち、1201人(59.8%)が「真ん中あたりの車両」と回答した。次に「端のほうの車両(おおむね2〜3両目)が596人(29.7%)、一番端の車両が213人(10.6%)だった。
痴漢被害に遭った車両内の位置は、「座席の前の通路」が469人(23.3%)、「ドア付近(開閉が多い側)」が463人(23.0%)、「ドア付近(開閉が少ない側)」が418人(20.8%)、「ドアとドアの間のスペース」が346人(17.2%)などだった。
一方、電車内での痴漢被害が止まった理由として、「周囲の人がやめさせた」は少なく、56人(2.8%)だった。最も多かったのは、「自分の目的地に着いた(降りた)」の773人(38.9%)だった。
また、痴漢被害を「我慢した・何もできなかった」は812人(40.7%)で、「逃げた・移動した」は414人(20.8%)、「身体を動かして加害者(痴漢)を止めようとした」が352人(17.6%)と続いた。「加害者(痴漢)の手をつかんだ・はらった・声を出した」は167人(8.4%)、「周囲に対して声を出して助けを求めた」は47人( 2.4%)で、計1割程度しかいなかった。
ただ、電車内で周囲の人が痴漢被害に気づいた(171人)場合、56.1%にあたる96人が「助けてくれた」という。その場合、89人(92.7%)が「被害が止まった」と回答した。
つまり、目撃者の5割強は痴漢被害を目撃したら行動し、その場合は痴漢被害の9割超が止まったということになる。
調査結果には有識者のコメントも掲載されており、次のように記されていた。
「被害者が『抵抗すればよかったのに』や『なぜ満員電車に乗ったのか』と非難され、傷つくことも少なくない。責められるべきは痴漢加害者であり、被害者に責任を帰すことは間違っている」
「誰かが行動を起こさない限り、痴漢行為は一定時間継続することがわかった。多くの加害者は臆病なため少しの介入で行為を諦める人が多いが、相手に反応がなく成功体験を重ねると、徐々に行為をエスカレートさせていく」
「被害者や周囲の人が行動を起こすことで、痴漢阻止へとつながる可能性は高い。周囲の人の注意を引く(音を出す・物を落とす・気分が悪くなったふりをしてしゃがみ込むなど)行動をすることが、総合的にみて事態を好転させる」
東京都には複数の相談窓口が用意されている。詳しくは、「痴漢撲滅プロジェクト」のウェブサイトで確認できる。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
電車内で「痴漢」に遭いやすい場所、時間帯、時期は?女性の4割超、男性の約1割が被害経験【調査結果】