※2023年にハフポスト日本版で反響があった記事を再掲載しています。(初出:9月22日)
暑い時期はシャワーを浴びる回数が増えるなど、浴室を使う機会が増えます。頻繁に使った浴室は乾きにくく、カビが生えるリスクも高まります。
夏場にフル稼働したお風呂のカビや汚れが気になっている人も多いのではないでしょうか。プロ並みにお風呂のカビ・水アカが取れる便利アイテムを、おそうじ本舗の技術アドバイザー・尾崎真さんに教えていただきました。
お風呂の表面はいつもお湯や水で洗い流されているはずなのに、どうしてカビが生えるのでしょうか。浴室にカビが生えやすい理由を教えてください。
「カビが繁殖するために必要な条件は、【高温】【多湿】【栄養】です。お湯を沸かして入った後の浴室は温度・湿度が高く、皮脂や垢といったカビの栄養素となる汚れが溜まりやすいため、カビにとって最高の環境といえます」(尾崎さん)
ではどうしたら取り除けるのでしょうか。尾崎さんはこう続けます。
「カビにいきなり除去剤をスプレーするのはあまり効果的とはいえません。浴室のカビは、石鹸カスや皮脂の上に生えることが多いのですが、実際にはカビと汚れが何層にも重なり、カビ→汚れ→カビ→汚れのような状態になっている場合があります。
つまりカビ除去剤をかけても、カビまで届いていないのです。まずはカビが生えているところに浴室用洗剤をスプレーして、上に乗っている汚れを歯ブラシなどでしっかり擦り落としてください。その後、洗剤が残らないようにいったん水で洗い流し、乾いた雑巾で拭きます。最後は、残ったカビめがけてカビ除去剤をスプレーするのです。
これで成分の浸透が良くなりますが、さらにラップを上から貼り付けて浸け置きします。10~15分間そのまま放置し、ラップを剥がしてシャワーで流すと、カビはきれいに取れているはずです。
ただし、素材によっては変色することもあるので、事前に隅のほうで試したほうが無難です。また、カビ除去剤を使用する場合は、絶対に他の洗剤や酸性(レモンを含む)の物と混ぜないようにしてください。使用上の注意をよく読み、正しく使ってください」(尾崎さん)
そのほかにもお風呂の鏡や蛇口、排水口などを掃除する際に身近なアイテムを有効活用できるそうです。
浴室でカビと同じくらい厄介な汚れが、蛇口や鏡などの水アカです。これらはどう取ればいいのでしょうか。
「水の中にはカルシウムやマグネシウムなど、一般的にミネラル分と呼ばれる物質が溶けています。水分が蒸発しても、このミネラル分は残ります。それが硬く固まったものが、頑固な水アカです。
ドラッグストアやスーパーには、中性やアルカリ性の洗剤がたくさん並んでいますが、これでは水アカは落とせません。水アカはアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤で落とすことができます」(尾崎さん)
また、洗剤でなくても家庭にある身近なアイテムで代用できるそうです。
「レモンやお酢、クエン酸など身近な物でも水アカを落とせます。レモン汁やお酢をかけてしばらく置き、拭き取るだけで十分です。しつこい水アカには、カビ同様ラップをかけて浸け置きしましょう。
ただ、メッキなどがされている金属部分は、腐食する恐れがあるので酸性の液体が飛ばないように気をつけてください。クエン酸は水で薄めておくと、いつでも使えて便利です。大さじ1のクエン酸に対して水200mlの割合で混ぜ、スプレーボトルに入れておきましょう」(尾崎さん)
シャワーの蛇口などをメラミンスポンジで磨くと、研磨剤が入っているせいか傷つけてしまうことがあります。どうすればいいのでしょうか。
「そんなときは、アルミホイルを使ってください。蛇口を水で濡らし、光っている面で磨くとピカピカになります。一度丸めてから開き、シワがあるほうが使いやすくなります。ただ、アルミホイルで擦(こす)ると化学反応が起こって水が黒くなるので、ビニール手袋を付けて作業しましょう」(尾崎さん)
浴室の鏡にも、すぐに水アカが付きます。何かいい方法はあるでしょうか。
「新聞紙を使うと、簡単にきれいにできます。まず新聞紙を折りたたみ、軽く濡らしてから布巾のように鏡を拭いてください。するとインクの成分が汚れを落とし、同時に曇りも防いでくれるのです。拭き終わったら捨てるだけという手軽さも、ご家庭では喜ばれると思います」(尾崎さん)
浴室で面倒なのが排水口です。お掃除する方法と清潔に保つ方法を教えてください。
「排水口のお掃除は、重曹とクエン酸を組み合わせると効率よく汚れを落とせます。次のような手順で試してみてください」(尾崎さん)
(1)排水口に重曹を半カップ入れる
(2)約60℃のお湯1カップにクエン酸小さじ1を入れたクエン酸水をつくり、排水口に勢いよく注ぐ
(3)排水栓をして、約30分間放置する
(4)排水栓を抜き、お湯ですすいで完了
「排水口をきれいにしておくためには、とにかく抜けた髪の毛を溜めないことです。髪を洗ったら、排水口内の髪の毛をこまめに捨てる習慣を付けましょう。髪の毛が排水菅に流れないように、市販のヘアキャッチャーなどを設置すると、処理が楽になります」(尾崎さん)
浴室のお掃除は面倒なものだと思いがちですが、身近なものを使うと簡単にできることがわかりました。思いついたらササッと掃除をして、汚れを溜めないことが大切ですね。夏のカビや水アカは、早いうちに取り除いておきましょう。
取材協力:おそうじ本舗 技術アドバイザー・尾崎真氏
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