育児放棄された動物園生まれのリカオンにゴールデンレトリバーが授乳。飼育員「すぐに受け入れてくれた」

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アメリカ・インディアナ州のポタワトミ動物園で誕生した絶滅の危機に瀕しているリカオンの赤ちゃんを、ゴールデンレトリバーが代わりに育て、話題になっている。

ポタワトミ動物園がウェブサイトで経緯を説明し、12月14日に公式Instagramにゴールデンレトリバーのキャシーが自分の子どもだけでなくリカオンの赤ちゃんたちにも授乳する動画を投稿した。

動物園の説明によると、ブルーという名前のメスのリカオンが9月28日に8匹の赤ちゃんを出産した。飼育員は妊娠中からブルーの様子を遠隔カメラで観察し、出産も見届けた。

リカオンは「パック」と呼ばれる群れで協力して子育てをする習性があることから、飼育員はブルーと赤ちゃんの父親モーリス、ブルーのきょうだいのコルビーの3匹が子育てに適しているかを見極めようとした。赤ちゃんたちが複雑なリカオン社会のルールを学ぶには、人間が代わりに育てるのではなく、仲間の中で育つのが最善だからだ。

しかし、誕生から半日観察したところで、ブルーやモーリスたちに任せるのは無理との判断がなされた。ブルーには育児をするそぶりがなく、モーリスもブルーを真似るように赤ちゃんに興味を示さなかった。

人間の手で引き取りはするが、赤ちゃんたちの将来を考えるとできる限り犬社会で育てたい。動物園は地元の動物福祉協議会の協力を得て、代わりに子育てをしてくれる犬を探した。

すぐにゴールデンレトリバーのキャシーが見つかった。出産したばかりの母犬だった。

自分の子犬とともに動物園にやってきたキャシーは、すぐにリカオンの赤ちゃんを自分の子のように受け入れたという。

動物園の獣医らがどの赤ちゃんも母乳が飲めるように注意を払ったが、5匹が命を落としてしまった。

残る3匹は無事に生後11週を迎えた。健康で暴れん坊など元気だという。

その後もブルーたちに歓迎のそぶりがないため、両親のもとに戻す計画は断念。ブルーたちの隣に3匹のすみかを構え、リカオンとしての振る舞いを見て学ばせる作戦に切り替えた。

動物園の群れに戻すか、ほかの施設に移すかについては、赤ちゃんたちが大きくなったら改めて考えるという。