グーグルが「休眠アカウントを削除する」と発表しました。
» 参照:Updating our inactive account policies|Google
Google アカウントが2年以上ログインされていない、または使用していない場合「Google Workspace(Gmail、Docs、Drive、Meet、Calendar)」および「Google フォト」に保管されたデータやアカウントそのものが削除される場合あるとのこと。なお、これは個人向けのGoogleアカウントにのみ適用され、学校や企業などの組織のアカウントには影響しません。
アカウントを削除されないようにする方法はシンプルで、(いまのところ)2年に1回ログインをすればOK。もし心配なら、自分が管理する別のメールアドレスにテストメールを送信するなどして「アクティブ」な状態を保つとより確実でしょう。
「Gmail」は優れた無料ウェブメールであることはまちがいありません。その魅力は細かな検索機能やラベル付け、カレンダーやクラウドストレージ、チャット、ビデオ会議との統合、使いやすいアプリなど、枚挙にいとまがありません。なので「Gmailが気に入っている」という人はそのまま使い続ければ良いでしょう。いまのところ、ずっと無料らしいですからね。
けれども「何か新しいサービスを試してみたい」「自分のデータがGoogleのサービスに集中し過ぎるのはリスクだ」というような場合は、いまこそが新しいサービスを試してみるよい機会です(ブラックフライデー、サイバーマンデーのセールもありますし)。
この記事では無料のウェブメールの範囲を「ブラウザでロングインして、アカウント作成やメールアドレスの登録ができ、メールの送受信ができるサービス」とします。また、この基準だとかなりの数のサービスが該当するので、一定の知名度があることや長く運営されていることなどを条件に絞り込みを行いました。
上記のような条件に合致する無料ウェブメールについて、記事作成時点(2023年末)の状況をまとめてみると以下の通りです。
けっこうみんなが使っていたり、大企業が提供していたりしたサービスでも終了しています……諸行無常だなぁ。
上記のほかにも海外では米国の「Yahoo! Mail Standard」や「AOL Mail 」、ドイツの「GMX Mmail」、韓国の「Naver Mail」などがウェブメール・サービスが存在しています。
メールアドレスを既に持っている場合は「メールアプリ(ソフトウェア)」を使用して機能を追加したり、デザインを変えたりすることが可能です。
WindowsやMacなどの複数のOSで使用できるものとしては老舗中の老舗「Thunderbird」やデスクトップOSに加えて、iOS、Androidなどでも使える「Spark Mail」、チャットふうユーザーインターフェースが特徴の「Spike Mail」などがあります。
もちろん、このほかにもメールアプリは無数にありますが、今回はウェブメールについての記事なので詳細は割愛します。
大手や歴史のあるウェブメールはどれも長い時間を経て洗練されてきたものなので、どれを使用しても劇的な違いなないかもしれません。「Gmail」と「Outlook」が圧倒的な二強なので、このどちらかを選べば間違い無いでしょう。
ちなみに、少しニッチな話をすると……中国本土ではGmailはブロックされますが「Outlook」は使えました(実体験)。「ゴニョゴニョすれば中国でもGmailは使えるぞ!」という〝情強〟な皆様も居られるとは思いますが、中国へ旅行や出張の予定が多い場合は「Outlook」のほうがなにかとスムーズかもしれません。また、今回の趣旨からは逸れますが、中国に行くことがある組織で「社内で導入するメールサービスを新しく決める」という場合は「Outlook」がベターです。
そのほか、ちょっと変わったウェブメールが使いたいという場合は以下の2つが面白いかもしれません。
いずれも「自動でメールが整理できる」「強力なメールアシスタントとして機能する」といった点が強みの新興サービスです。ただし「Hey」は年額99ドル、「Superhuman」も月額30ドル。そこそこいいお値段なのです。
こうして見ていくとなかなか「これだ!」というウェブメールが内容に思えてしまいますが……実はおすすめがあるんです!
筆者がおすすめするのは「Proton Mail(プロトンメール)」です。
無料で1GBまでの容量のメールやデータが保存できるサービスです。
運営企業すらユーザーデータ(メール本文)にアクセスできない高度な暗号化を標準で使用していること、オープンソースであること、DPAやDPOなどの強固なプライバシー保護法が存在するスイス連邦で運用されていることが特徴です。
なお、プライバシーに特化にたウェブメールとしてはドイツ発の「Tutamail(チュータメール)」というサービスもあり、無料で使用可能です。ただし、こちらは6カ月ログインがないとアカウントが削除されることや(最近リニューアルされたとはいえ)ちょっとデザインが古くさいこともあり、次点という感じです。
日本語での使用もかんたん。言語設定から選択するだけでOK。
受信ボックスはこんな感じ。
カレンダー。
クラウドストレージ。
このほかにもパスワードマネージャーやVPNがある、全て無料で利用できます。
有料版にアップグレードした場合は保存できるメールとデータの容量がアップするほか、1アカウントで複数のメールアドレスを運用できるようになるといった特典が用意されています。
欧米では「脱・巨大テック企業によるデータ支配」という思想からこうしたプライバシーを強化したメールを使用する人たちがいますし、もちろん単に「気分転換に新しいウェブメールを試してみたいな」という場合にもおすすめです。
なお、記事作成時点では最大33%オフとなるサイバー・ウィークセールが行われているので、有料版を契約するならいまがおすすめです。
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