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11月19日は国際男性デー。
男性の心身の健康に目を向け、ジェンダー平等を促す日として、少しずつ日本でも認知が広がりつつある。
3月8日の国際女性デーには、日本の女性の自己肯定感が低さが頻繁に話題となるが、日本の男性はどうなのだろうか?
実際、日本の男性の自己肯定感も決して高くないようだ。
花王のメンズケアブランド「サクセス」の調査によると、特に40歳代の男性の自己肯定感が低く、自己肯定感が低い男性は髪の手入れに関心がない人が多いことが分かった。
こうした男性たちに自信を持ってもらおうと、花王「サクセス」と高級理容室ヒロ銀座・Premium Barbarが協力。11月17日から期間限定で「かっこつけない理容室」をオープンした。
普通の理髪店と一体どう違うのか?
「3年間髪型を変えてない」と話す同僚のアレックスさん(40代)と一緒に訪れた。
メディアに向けた体験会で私たちが訪れたのは、東京都内の店舗。
店内には、「かっこつけないヘアカタログ」というオリジナルのヘアカタログが置いてある。中身を見ると、ヘアカットを通じて新たな自分を見つけたという男性の写真や体験談が掲載されている。
その後、「ワイルド」「誠実」「落ち着き」など30のキーワードが書かれた表がアレックスさんに渡された。これを見ながら、自分の好きなワードをいくつか選び、ヘアスタイリストさんと相談しながら髪型を決めていくという流れのようだ。
「最後に髪を切ったのは2カ月ほど前ですね…」と話すアレックスさん。
中学生までは坊主だったこともあり、その反動で高校以降は髪は長めのことが多かった。それ以降自分に似合う髪型が分からず後回しにした結果、「ずっと今のような髪型で過ごしてきた」という。
アレックスさんは、表から「知的」「若々しい」、そしてリストに書かれていなかった「爽やか」という3つのキーワードを選択。なりたい自分のイメージは「颯爽と仕事をこなす人」だという。
「尊敬するビジネスパーソンや印象に残っているドラマのキャラクターを総合的に見て、さらにすでに自分が持っている中で強調したい雰囲気から選びました」
アレックスさんはハフポスト日本版が属するBuzzfeed Japanのファイナンス・マネージャー。同僚たちからは、「マイペースで穏やか」「面倒見がいい」「頼りがいがある」「自分の意見がしっかりしている」と慕われており、一方プライベートでは、バイクや山登りを楽しむ「アクティブ派」だ。
常にある程度の髪の長さを保っているアレックスさんは、最近はいつも「揃えてください」とオーダーしているらしく、全体的にくせ毛でどうしていいか分からない、というのも変化に踏み切れない一因のようだ。
そこでヘアスタイリストは、くせ毛の自然な流れを生かしつつ、量を減らし、耳を出してカットすることを提案。
さて、どう変わるのかーー。
「切っちゃってください」
意を決したアレックスさんの髪に、ついにハサミが入る。
床にはバサバサと髪が落ち、ついにバリカンも入った。
「バリカンで刈ったのなんて高校生ぶりかも」
坊主時代の思い出が蘇ったのか、少し不安げなアレックスさん。
もしかしてちょっと後悔してる?大丈夫だろうか。
でももう後戻りはできない。
「知的な40代」の前髪は長めの方がいいとのヘアスタイリストの判断で、前髪は長めのまま。あまり印象が変わらないかと思いきや、耳周りの変化や後ろの軽さでだいぶ違う。
スタートから約40分。最後にドライヤーとワックスで簡単なセットの仕方を教わり、ヘアカットが終了した。
普段から控えめなアレックスさん。終わった直後も言葉が少なく心配したが…
「だいぶ軽くなった。こんな軽いのいつぶりだろ?自分だったら絶対やらないかも。良いです」と笑顔だ。
ビフォーアフターの写真を撮る時も、リクエストに答えてポーズをとりながら、「カメラから目線を逸らすとモデルになった気分」とか言っている。
なんか、カット前よりちょっとおしゃべりになってる?
気のせいか口角も上がってない?
顔色が良くなったように見えるのは、美容室で顔に巻いてもらった蒸しタオルの効果か?
ビフォー・アフターで比べると、いろんな変化が明確に見える。
「あ、こういう髪型もできるんだ…と思ったので、髪型に限らず、自分に向かないと思って避けていたことも、いろいろ挑戦してみようという気持ちになりました」と話してくれた。
自己肯定感と髪について20歳〜70歳の男女1200人を対象に行った花王サクセスの調査によると、男性の約50%が「自己肯定感が低い」と答え、中でも40代男性は最も多く、66%に上った。
また、自己肯定感が低い男性は髪の手入れに関心がない傾向にあり、3年以上ヘアカットのオーダーを変えていない男性は48%に上ったことがわかった。
今回の企画を主催した花王のブランドマネージャー、林裕也さんは、「調査によって、自己肯定感が低い人は髪型を積極的に変えない。自分で良くなれる、変われると思ってないことがわかりました」と現状を指摘。
そこで、「髪を切るタイミングで自分のなりたい理想の姿を伝え、そうなれるようヘアスタイリストが髪型を作ってくれれば、自分の新たな姿が見えるのではないか」と考え、この取り組みに至ったという。
「かっこつけない理容室」というネーミングはどこから来たのか?
「従来の男らしさは、強くなければいけない、かっこよくなければいけないなど、私たちが暗黙のうちに持っているイメージがあります」と林さんは語る。
「男らしい、かっこいい、ではなく、自分らしいってなんだろう?と考えた時に、それはかっこつけずありのままで、自分で自分に納得できる状態が本当の理想の自分なのではないか、と感じたんです」
理容室を後にし外に出ると、太陽の下でアレックスさんの爽やかさが際立つ。
BuzzFeed Japanのオフィスに戻ると、照れ臭いのかそそくさと奥の席に座るアレックスさん。
髪型の変化に気づいた同僚たちから拍手が起こり、「全然違う!」「めっちゃいい!」と言われると、まんざらでもない様子だった。
なかば強引に誘った私は、心の中でホッとした。
アレックスさんは髪型を変えた後、自宅でリモート勤務の際も髪型を整え、ドライヤーで前髪を整えるというヘアスタイリストからのアドバイスを忠実に守っている。
出社日や外出する際は、ドライヤーとワックスでセットするという。
自分に自信が持てず、何かと一歩を踏み出せない人は、まずはヘアカットから始めてみるのもいいかもしれない。
ーー
「かっこつけない理容室」のサービスは、ヒロ銀座・Premium Barbarの国内全店舗で12月17日まで提供されている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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