4,000年もの間、ほとんど研究されることなく埋もれていた不思議な印のある岩の一部が、「宝の地図」として注目されています。研究者たちによってヨーロッパ最古の地図であると主張されるサン・ベレク板は、年代測定と、失われた遺跡を再発見するために、刻まれた文字を解読する研究が続けられています。
*Category:サイエンス Science *Source:Science Alert ,BBC
古代遺跡は、高性能のレーダー装置や航空写真、あるいは都市部で新しい建物の基礎が掘られているときに偶然発見されることが多いです。この石板について西ブルターニュ大学(UBO)のイヴァン・パイヤー教授は「地図を使って遺跡を探すというのは、素晴らしいアプローチです。これは宝の地図なのです。」と述べています。
パイヤー氏の研究仲間であるフランス国立科学研究センター(CNRS)のクレマン・ニコラ氏によれば、この古代地図はおよそ30キロから21キロの範囲を示しており、全領域を調査し、石板に描かれた印を照合する必要があると述べています。そしてこの作業には15年はかかるだろうとニコラ氏は話します。
2014年、フランスの専門家たちは、フランス国内および海外の他の研究機関の研究者たちとともに、その謎を解読し始めました。ニコラ氏とパイヤー氏はこのチームの一員です。「すぐに意味がわかる記号がいくつか刻まれていました。石板の粗い凹凸や線の中に、パリから西に約500キロ離れたブルターニュ地方の一部であるルードゥアレックの川や山が見えたのです」とパイヤー氏は話します。
研究者たちは石板をスキャンし、現在の地図と比較したところ、およそ80%一致することが判明しました。石板には小さなくぼみがあり、研究者たちはそれが古墳や住居、あるいは地質学的な堆積物を示しているのではないかと考えています。その意味を発見すれば、新たな発見につながるかもしれません。
研究者たちは数週間かけて、石板が最初に発見された場所で再び発掘作業を行いました。そこはブルターニュ地方で最も大きな青銅器時代の埋葬地の一つです。この発見の背景をより明確にし、石板の年代を特定することが狙いです。
すでに、これまで発見されていなかった断片が見つかっています。その断片は、ニコラ氏が示唆するように、青銅器時代の集落の勢力図が変化したことを意味する、墓の壁として使われていたようです。地図に描かれている地域は、おそらく古代の王国に相当し、反乱や暴動で崩壊したのかもしれません。また、刻まれた板は、解体されて建築材料として使われる運命にあったとニコラ氏は述べています。
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「宝の地図」4,000年前の石板に刻まれた〝しるし〟の正体