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アイスランドで10月24日、カトリン・ヤコブスドッティル首相を含むアイスランドの数万人の女性とノンバイナリーの人々が、男女の賃金格差とジェンダーに基づく暴力へ抗議するため、ストライキを実施する。
BBCによると、アイスランドで1975年以来初めての「女性の終日ストライキ」で、特に医療や教育など女性の労働者が多い分野の影響が大きいと予想されている。
アイスランドのニュース情報サイト「mbl.is」の取材に対し、ヤコブスドッティル首相は「私もこの日は仕事をしません」と、ストライキへの連帯を表明した。ストライキの日は閣議を開かず、他の女性閣僚にも同様の行動を期待しているという。
ストライキの主催者らはホームページを通して、今回のストライキの目的について「女性は依然として体系的な賃金不平等に直面しており、ジェンダーに基づく暴力は根絶されなければなりません。私たちはこれ以上行動することを待つつもりはありません」と説明している。
the Guardianの取材に対し、ストライキ主催者の一人で、アイスランド公共労働者連盟のコミュニケーション・ディレクターであるフレイヤ・ステイングルムスドッティルさんは、以下のようにコメントした。
「アイスランドが平等の楽園であるかのように語られています。しかし、アイスランドの一部の職業では賃金格差が21%もあり、生涯のうちにジェンダーに基づく暴力や性的暴力を経験する女性が40%もいる。そんな『平等な楽園』はあってはならない。それは世界中の女性が目指しているものではありません」(ステイングルムスドッティルさん)
ヤコブスドッティル首相は「2022年までに男女間の賃金格差を解消すること」を掲げていた。
mbl.isから男女の賃金格差について国の立場を聞かれると、首相は「州、自治体、一般市場のいずれにおいても賃金格差は拡大している」と述べ、伝統的に男性が独占してきた職業に比べ、いわゆる「女性主体の職業」がどのように評価されているか調査していると説明した。
「私は何よりもまず、アイスランドの女性たちとの連帯を示すためにストライキに参加することにしました。ご存知のように、私たちはまだ完全な男女平等の目標に到達しておらず、2023年には、容認できないほど広がっている男女間の賃金格差に取り組んでいます。また、ジェンダーに基づく暴力にも継続的に取り組んでおり、これらは政府が取り組むべき優先事項です」(ヤコブスドッティル首相)
アイスランドは最もジェンダー平等が進んでいる国の一つといわれている。世界経済フォーラムが各国における男女格差の状況をまとめた「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」で、アイスランドは2023年時点で14年連続1位だった。
アイスランドでジェンダー平等が進んだ背景には、1975年10月24日に起こった「クヴェンナフリ」(女性の休日)と呼ばれる大規模ストライキがあった。男女の賃金格差や性別役割分担に抗議し、アイスランドの女性の約9割が参加したといわれている。
この「女性の休日」をきっかけに、翌年に同一賃金法が可決された。アイスランドの女性の政治参画の扉が開かれ、1980年にはヴィグディス・フィンボガドゥティルさんが民主的な選挙によって選出された、世界初の女性大統領となった。
その後もアイスランドの女性たちは男女平等を求め計6回のストライキを行ってきたが、今回のような一日中行うストライキは1975年以来、48年ぶりとなる。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「ジェンダー平等世界一」のアイスランドで数万人の女性が終日ストライキ。首相も連帯、賃金格差と暴力に抗議