武装組織ハマスがイスラエルに対して大規模攻撃を仕掛けた後、イスラエル軍はハマスが実効支配するパレスチナ・ガザ地区を完全包囲し、空爆を続けている。
国連によると、紛争が始まってから10日でガザでは4200人が死亡。100万人以上が避難している。
空爆への恐怖に加え、物資供給路の遮断されたガザで人々は水や食料、医薬品、燃料などのライフラインが絶たれた状態に置かれている。
その逃げ場のないガザの人々を医療や物資、メンタルケアといった様々な面で支援しているのが人道援助団体だ。
そういった団体をサポートすることでガザの人々を支援できる。ガザで活動を続ける人道援助団体の寄付受付先をまとめた。
空爆が続くガザ地区で、医療物資の提供や怪我をした市民の治療などにあたっているのが非営利団体「国境なき医師団(MSF)」だ。
MSF日本の村田慎二郎事務局長によると、10月13日時点でガザ地区には約300人のMSFスタッフがいる。海外から派遣されたスタッフは20名強で、その中には日本人は3名が含まれる。
医療現場からは、深刻な物資不足を訴える声が届いているという。
ガザでMSF副コーディネーターを務めるアイメン・アル・ジャロウシャ氏は「病院は負傷者であふれ、医薬品も医療物資も足りません。発電機の燃料も不足している状況です」と窮状を伝えている。
1971年から50年に渡り、紛争地などでの医療援助を続けているMSFの活動資金は、9割以上が個人など民間からの寄付に支えられているという。
日本赤十字社は、今回の人道危機を受けて「イスラエル・ガザ人道危機救援金」を立ち上げた。2024年1月31日まで受け付けている。
救援金は、赤十字国際委員会(ICRC)、イスラエルの赤十字社、パレスチナ赤新月社、国際赤十字・赤新月社連盟、日本赤十字社の救援や復興支援活動などに使われるという。
この中で、紛争地での支援や保護活動をしているのがICRCだ。ガザ地区でも医療や心のケア、インフラ整備など、多岐にわたる活動を展開している。
日本赤十字社は、紛争地での支援事業に日本人の医療従事者を派遣するなどして、ICRCに連帯している。
約190の国と地域で子どもたちのために活動する国連機関のユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、スタッフがガザ南部地域にとどまり、子どもたちへの支援を続けているという。
キャサリン・ラッセル事務局長は「ガザの子どもたちは、命を繋ぐ支援を必要としています」と述べ、早急な停戦と支援再開を訴えている。
現在、ガザ地区とエジプトの間の検問所は閉ざされており、支援物資を届けられない状態にあるが、イスラエルは18日、エジプト側からの限られた量の人道支援物資提供を許可すると発表した。
ユニセフは飲料水や、尊厳キット(避難所で尊厳を保つための生理用品などの日用品)、救急医薬品や仮設トイレなどの支援物資をエジプト側に配備して、搬入が可能になった時に少なくとも15万人を支援できるよう備えているという。
こういった支援を続けていくための資金として、ユニセフは「ガザ人道危機 緊急募金」を受け付けている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、第一次中東戦争後に、パレスチナ難民の救済と事業実施を目的として設置され、1950年5月1日に活動を開始した。70年以上にわたり、ガザ地区を含むパレスチナ難民の支援を続けている。
支援内容には、難民教育や保健、救済や社会福祉、難民キャンプのインフラ整備と改善、武力紛争時も含めた緊急援助などが含まれる。
フィリップ・ラザリーニ UNRWA事務局長は10月15日の記者会見で「ガザ地区は前代未聞の人道的危機的状態にある」「市民を殺されたことへの応答は、さらに市民を殺すことであってはならない」と述べ、停戦と支援再開の必要性を訴えた。
UNRWAは、パレスチナ難民の生活や尊厳を守るための寄付を呼びかけている。
「国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)」への寄付はこちらから
日本発のNGO「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」は1996年に設立され、これまでに世界37カ国で、自然災害や紛争、貧困など人為的な要因による人道危機や生活の危機にさらされた人びとを支援してきた。
ガザ地区では、若者や子どもを対象とした保健・栄養支援や、職業技術訓練などの支援を実施してきたという。
今回のイスラエルとハマスの大規模衝突を受け、ピースウィンズではガザ地区での緊急支援を準備しているという。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
パレスチナ・ガザ地区を支援するための寄付受付リスト。逃げ場のない人たちのために日本からできること