ガザの病院で爆発、500人以上が死亡か。避難していた多くのパレスチナ市民が犠牲に

パレスチナ・ガザ地区北部ガザシティにあるアル・アハリ病院で10月17日夜、大きな爆発があり、多くの市民が犠牲になった。

ロイター通信によると、ガザ地区を実効支配する武装組織ハマスはこの爆発で少なくとも500人が死亡したと発表。パレスチナの民間防衛隊は死者数を300人と推定している。

また、多くの人々が瓦礫の下敷きになっているとみられており、死者数は増える可能性がある。

ハマスは、爆発をイスラエル軍の攻撃によるものだとして批判しているが、イスラエル側は攻撃を否定しており、パレスチナ武装勢力のロケット弾発射失敗が原因だと主張している。

アル・アハリ病院の爆発の後、アル・シファ病院に座り込むパレスチナの人々(2023年10月17日)

イスラエル軍は、自国に対して大規模攻撃を仕掛けたハマスへの報復措置として、ガザ地区を完全包囲して水や燃料の供給を停止し、空爆を続けている。

さらに、ガザ北部に大規模な地上攻撃を展開するとして、100万人を超える北部住民に南部へ退避するよう通告した。

AP通信によると、アル・アハリ病院には患者や医療従事者のほかにも、イスラエル軍の攻撃から身を守ろうと多くのパレスチナ人市民が避難しており、多数が犠牲になった。

爆発の負傷者らはガザシティのアル・シファ病院に搬送されたものの、すでに多くの患者を抱えていた同病院も、物資や燃料不足により危機的な状況に置かれている。

アル・シファ病院のモハメッド・アブ・セルミア院長は「小さな部屋に5つのベッドを詰め込んでいます。医療機器、薬、ベッド、麻酔、すべてが必要です」と窮状を訴えている。

アル・シファ病院の発電機用燃料は18日にも底をつく可能性があるという。アブ・セルミア院長は「ガザの医療は数時間以内に崩壊すると思います」と述べている。

イスラエル軍の空爆で怪我をしたパレスチナの子どもをアル・シファ病院に搬送する人々(2023年10月17日)

ガザ保健省によると、ガザ地区では17日の爆発の前までにイスラエル軍の攻撃で少なくとも2778人が死亡し、9700人が負傷した。

イスラエルの死者数は1400人を超え、200人近くがガザで人質になっているという。

ジュネーブ条約は、医療組織を攻撃の対象としてはならないと定めている。病院の爆発に対して隣国エジプトは「意図的に市民を狙う爆撃は国際法、人道法に違反する」とイスラエルを強く批判した。

アメリカのバイデン大統領も病院での爆発に対し「深い悲しみと憤りを覚える」とする声明を発表。国家安全保障チームに調査を指示したと述べた。

バイデン大統領は18日にイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相らと会談する予定だ。

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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Satoko Yasuda