TikTokもインスタもやめたLUSH。それでも新規顧客が増えたワケ

LUSHはこの1年、多くのブランドとコラボしてきた

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イギリス発のナチュラルコスメブランドLUSHは、約2年前の2021年11月、若者のメンタルヘルスへの悪影響を危惧し、自社がビジネスを展開している世界48の国・地域で運営するFacebookやInstagram、TikTok、Snapchat、WhatsAppの5つのプラットフォームのアカウントの利用を停止した。

日本では、FacebookとInstagram、TikTokからサインアウトした。

近年のPRやマーケティングにおいて、非常にパワフルなツールであるSNSを断つことによるビジネス的影響は大きい。

それから約2年ーー。今LUSHは他の方法で新規顧客を増やしている。

SNSから離れた同社が、顧客と繋がる新たな方法として選んだのが、他ブランドとのコラボレーションだ。

創立から28年間、ライフスタイルやエンタメブランドとのコラボを行ってこなかった同社。しかし2022年9月を皮切りに、約1年の間に8つのコラボを展開した。

最初にコラボしたのは人気アニメ『ONE PICE』。日本では公式オンラインストアの71%が新規客となり、発売から4時間で完売。また、発売した月の来店客数は昨対比で+19.9%に上ったという。

また映画『ザ・スーパーマリオブラザー ズ・ムービー』とのコラボでは、発売した月の全店舗の来店客数は昨対比+34.7%と圧倒的な人気が見受けられ、メディアでも広く取り上げられたという。

こうした結果、各コラボレーションで全世界で平均30%の新規顧客を獲得。また、この1年で日本国内の来店客数は昨対比+11.1%となり、着実に新規顧客を獲得している。

2023年末には国内で北日本最大規模の店舗オープン、2024年にはすでに5つのコラボを予定しており、今後もSNSに捕らわれない新しい方法で顧客開拓を行う予定だという。

LUSHは人権擁護、動物の権利、自然環境の保全などを支援し、他にも様々な倫理的方針を公表しているが、今回のコラボについて同社のコンセプト・クリエイティブ・ディレクター、メロディ・モートン氏は、「中には、その企業の過去の行動が私たちの信念や倫理に沿わないこともあります。ただ、私たちがコラボレーションをするのは、自分たちが向かう方向やどうなりたいのかのビジョン、変化を受け入れる姿勢のあるブランドだけです。ビジョンが合わない企業とはコラボレーションはしません」 と述べている。

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