秋はカメムシに遭遇しやすい季節です。洗濯物や服についたり臭いがつくこともある困りものです。
ウェザーニュースでは、この秋にカメムシをどれくらい見かけたかについて、アンケート調査を実施しました。結果を見ると、全体では「見かけてない」が48%だったのに対し、「少し見かけた」が44%、「大量発生を見た」が8%で、半数以上の人がすでにこの秋、カメムシを見かけたことがあるようです。
さらに、地域別に詳しく見ると、近畿では約4人に1人の割合で「大量発生」に遭遇しているなど、西日本ほど多く発生していることがわかります。
秋はカメムシの大量発生がニュースなどでもたびたび話題になることが多い季節です。⾍ケア⽤品最⼤⼿のアース製薬にカメムシの習性から臭いに悩まされないための対策など教えていただきます。
日本には、約1,300種以上のカメムシが生息しています。
「実はカメムシは越冬時期である真冬以外は1年中見られます。その中でも秋にカメムシを目にする機会が増えるのは、越冬場所を探して一斉に飛来してくることもあるからです。
カメムシは本来、寒さが苦手なので冬の間は木の表皮の隙間などで寒さをしのぐのですが、暖かい場所を求めるうちに室内に侵入してくることもあります」
カメムシが洗濯物や壁に大量についていることがあります。カメムシが好きな色はあるのでしょうか。
「カメムシは、白や明るい色を好む習性があります。そのため、洗濯物のなかでも白っぽいシーツやバスタオル、ワイシャツなどについていることが多いのでしょう。また、日当たりがよく暖かい場所を好むことも影響していると考えられます」
カメムシで困るのは、強烈な臭いがついてしまうことです。
「この強烈な臭いの正体はカメムシの分泌液です。成虫はお腹側、幼虫は背中側にある『臭腺』という場所から臭いを出します。主な成分はアルデヒド類と呼ばれる刺激性のある化合物です。
外敵から身を守るときや、仲間とコミュニケーションをとる時に出しますので、必ずしも悪臭が発生するわけではありません。ただし、この臭いは悪臭だけでなく皮膚につくと刺激になることもあり、服や洗濯物につくとシミになることもあります。
そのため服や洗濯物などについたときは、手で払ったり、叩いてつぶそうとしないようにしましょう。また、洗濯物を取り込む際には、カメムシを一緒に室内に持ち込まないよう、よく確認しましょう。
もしも洗濯物などについてしまったら、カメムシの成虫は臭いをお腹側から出しますので、背中側から刺激を与えず、そっとガムテープに付けてから包むように捕獲してください。
殺虫成分を使用していないカメムシ専用の速効性のある駆除スプレーを使えば、臭いを出す前に駆除できます」
カメムシに気づかないで刺激してしまうこともあります。臭いがついた場合はどうしたらよいのでしょうか。
「カメムシの臭いは洗ってもなかなか落ちません。この成分は水に溶けやすい成分と、アルデヒド類など油に溶けやすい成分が含まれていますので、うっかり手で触ってしまった場合などは、2段階で落とすことです。
まず消毒用アルコールや化粧品のクレンジング剤を含ませたティッシュなどで拭き取り、その後石けんを使って水洗いします。
シーツやタオルなど洗濯できるものは洗剤で洗えば、界面活性剤の働きできれいに落ちます」
秋が深まるとカメムシを見かけることも増えてきます。上手に対応して臭いの被害を減らしたいですね。
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カメムシの強烈な臭いの正しい落とし方。服についた時はこうすればいい