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初めて参加したシカゴマラソンを、個人記録を上回るペースで走っていたアメリカ・ボストン在住のサラ・ボーエンさん。しかし最終的に優先したのは、記録ではなく動物愛だった。
ボーエンさんは10月8日にシカゴマラソンに参加し、21マイル(約33キロ)を過ぎたところで、個人記録を上回る順調な走りを続けていた。
その時、ボーエンさんの視界に何かが入ったという。「私は左側にいたのですが、小さくて白いふわふわしたものが跳ねるように進むのが見えました」とNBCシカゴに語っている。
引き返してみると、それは痩せた子猫だった。そのまま走り続ければ個人記録を上回る可能性のあったボーエンさんだったが、子猫を残してレースに戻ることはできなかったという。
子猫を手にしたボーエンさんに同じランナーのジーア・ニイグロさんが助けの手を差し伸べ、ふたりで一緒に飼い主探しを始めた。
沿道でレースを応援していた人たちに「猫を飼ってくれないか」と尋ねながら1マイルほど進んだ結果、最終的にひとりが迎え入れると申し出てくれた。
ボーエンさんはマラソン中に飼い主探しを始めた理由を 「ピンときて『今重要なのはこれだ』と直感的に感じました。心の片隅に『個人記録が達成できなくなる』という考えも浮かんだのですが、本能に従いました。人間としての本能です」とCBSシカゴの取材で述べている。
無事に飼い主を見つけたボーエンさんとニイグロさんは残り6マイル(約9キロ)を一緒に走り、ゴールした。
ボーエンさんは今回、犬や猫の殺処分をなくすための資金集めをする「チーム・パウズ」のランナーとしてシカゴ・マラソンに参加。個人記録を塗り替えることはできなかったものの、3時間31分13秒でゴールした。
このチャリティー活動を企画する動物保護団体「パウズ・シカゴ」も、猫を優先したボーエンさんを「使命を真剣に受け止めてくれた」と称賛している。
また、パウズ・シカゴは猫を迎え入れた沿道の観客に「私たちは、猫に家を与えてくれたこの親切な人に、感謝の気持ちとして無料の獣医検診を提供したい」と伝えている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
マラソン中に子猫を発見したランナー。記録を犠牲にして、里親探しを始める