気温が下がり空気も乾燥してくると害⾍を⾒かける機会も少なくなりますが、実は乾燥に強い⾍もいます。特にこの季節、家庭で注意したいのがシバンムシです。茶⾊くプチッとした⼩さな⾍ですが、意外にやっかいなのです。⾍ケア⽤品最⼤⼿のアース製薬に、詳しく教えていただきます。
シバンムシという名前を聞いたことがあるでしょうか。
シバンムシは英名で「Deathwatch」と⾔い、昔にヨーロッパで、シバンムシが⽊材を⾷害する時に「コチコチ」という⾳が「死を告げる⾳」を連想させることから、死の番をする⾍という意味で付けられ、⽇本名もそのまま「死番⾍」となったそうです。キッチンなどで⾒かけ、成⾍の体⻑は約2.5mmほどの⼩さな⾍です。
「パスタや穀物、粉類などの乾燥食品や畳を食害する甲虫です。赤褐色~茶褐色の全身に、黄色っぽい毛が密生しています」
なぜ、今の時季に気をつけたいのでしょうか。
「シバンムシの成⾍の発⽣時期は5⽉〜11⽉ですが、乾燥して湿度が低くなっても発育できます。メスは⼀⽣の間に多い時には110個も産卵し、幼⾍で越冬します。
また、畳床(畳の芯の部分)に発生するシバンムシ幼虫には、シバンムシアリガタバチが寄生します。このハチは人を刺すので、二次被害が起こる可能性もあるのです」
外から入ってきたシバンムシが、家の中の好む場所に産卵して、幼虫を発生させてしまいます。
「小麦粉、ビスケット、コーヒー、ココア、乾燥シイタケ、乾麺、タバコ、畳床、ドライフラワーなど被害食物は100種類以上になります。つまり、これらのエサとなるもののある場所は、シバンムシが好んで発生します」
やっかいなのが、シバンムシの意外な“強さ”です。
「シバンムシに噛まれ、⼀瞬強い痛みを感じたことがあります。基本的に⼈を噛みに来る⾍ではないですが、畳の上で寝ていた時に偶発的に噛んだようです。⾷品の包装容器を穿孔(せんこう:⽳を開ける)するシバンムシの顎の強さを、この時実感しました」
封をした食品でも、シバンムシは噛み破って大繁殖することがあります。
「常温で保存する食材は入れ物を噛み破られないよう、密閉性の高い缶や瓶に入れましょう。できれば、冷蔵庫で保存します」
シバンムシが発生してしまったら、発生源となっている食品の周りを注意して確認しましょう。
「周囲の食品にもシバンムシが湧いているかもしれないので、確認が必要です」
シバンムシ自体は、どうしたらよいのでしょうか。
「蚊やコバエのように、つぶすのはオススメしません。試してみたところ、堅くて、つぶれる感触も気持ち悪かったです。
もしもシバンムシが食品に発生してしまったら処分し、食品以外に発生した場合には不快害⾍⽤のスプレーがおススメです。エアゾールタイプで効果も抜群です。150種類の害⾍に効くタイプがあります※」
季節の変わり目は衣替えなどで、クローゼットの整理などをする方が多いかもしれませんが、それと同時にパントリーや食物を保管しているところを掃除したり、保管方法を見直しするなど害虫の発生に気を配るのもいいかもしれません。
※飲食物や食器にかけないなど、使用上の注意に従ってください。
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