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農業体験と音楽ライブを融合したイベント「Harenohi Vo1」が10月7〜8日、福島県二本松市で開かれる。
イベントは、子育てを機に地元・福島県の二本松市にUターンした渡辺勝弥さんが仕掛けた。
もともと大手企業で新規事業の立ち上げなどを担ってきたが、「地域に貢献したい」という思いから企画したという。
「当たり前の生活を素晴らしく思ってほしい」ーー。このような意味が込められているイベントの全貌を聞いた。
「Harenohi Vo1」の詳細は次のとおり。
10月7日は午後1時30分から、地元の農家とサツマイモ掘りを行う(雨天の場合は農家を囲んでお話会)。
定員は20人で、午後3時頃に終了する予定だ。
必要な持ち物は、汚れてもいい服装(⻑袖⻑ズボン)、⻑靴、ゴム手袋か軍手、スコップまたはシャベル、飲料やタオルなど。
場所は、二本松駅から車で約10分のところにある「きらら菜どるちぇ」(福島県二本松市原セ日照田285)。
翌8日正午からは、アーティスト・永原真夏さんのライブが開かれる(午前11時頃から開場)。
場所は、「木幡山参宿所」(福島県二本松市木幡治家49)。
(永原真夏さんプロフィール)
2008年、SEBASTIAN Xを結成、2015年からソロプロジェクト「永原真夏+SUPER GOOD BAND」での活動をスタート、2019年11月SUPER GOOD BAND解散。翌年よりSEBASTIAN X結成タイミングからの盟友・工藤歩里とのユニット「音沙汰」での活動を本格化、2020年3月25日には永原真夏名義でのEP『ラヴレター』をリリース。2021年には2nd Full Album『imagination』をリリース全国ツアーも行う。2023年7月には新曲となる『この木を切らないで』をリリース。
参加連絡などの詳細は、メール(katsuya.watanabe@forone.info)、Instagramアカウント(@harenohi.nihonmatsu)で受け付ける。
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Harenohiを主催するのは、郡山市出身で二本松市在住の渡辺勝弥さん。
2年前、子育てをきっかけにフルリモートできる会社に転職し、東京からUターンした。
以前は、都内の大手企業で新規事業の立ち上げに携わっていたという。
渡辺さんはなぜHarenohiを企画したのか。イベントに込める思いとは。
ハフポスト日本版はインタビューした。
ーーHarenohiという名前にはどういう意味が込められているのでしょうか。
特別な日という「ハレの日」の慣習にちなみ、「当たり前の日常」をほめたたえようという意味を込めました。
お祭りや行事など特別な日以外にも、私たちの日常にはたくさん素晴らしい要素があります。
日々、忙しさやストレスに悩む人も多いですよね。
毎日、仕事に追われていると、「どのように過ごすのが効率的か」といったような視点でついつい過ごしてしまいがちですが、「日々の当たり前の日常こそ尊い」と思うんです。
今回は、その日常を支えている農業や音楽(エンターテインメント)に携わっている人たちと一緒に、「当たり前の日常」を祝おうと企画しました。
ーー素晴らしい企画ですね。このイベントを思いついたきっかけは何だったのでしょうか。
子育てを機にフルリモートの仕事に転職し、2年前に福島に帰ってきました。
大学進学で上京し、卒業後はエイベックス(音楽大手)などで新規事業の立ち上げといった仕事をしてきました。
立ち上げた新規事業は10以上ありますが、大企業で新規事業を立ち上げるのはものすごく大変でした。
1回数億円のビジネスも経験しましたが、ただそれは会社の看板があったからできたことなんだなと思います。
まっさらな状態で、自分が100%やりたいようなイベントを企画できたらどうなるのだろうか。そして、今住んでいる地域に貢献するにはどうしたらいいのか。
地方に適した「ビジネスっぽくない」関わり方や、エンタメに振り切ったことをやりたいな、と考えていたところ、Harenohiにたどり着きました。
ーー子育てで地元にUターンし、地元への貢献を考えているうちにHarenohiを思いついたのですね。
大きな企業に勤めている時は、「事業を早く成長させてほしい」や「利益をもっと上げてほしい」などと、投資家と経営者から言われる立場で仕事をしていました。
もちろん、会社員として当たり前のことなので、今はとても感謝していますが。
ただ、今回は完全に自分が主催者です。Harenohiにかかる資金も自分で持ち出しています。
自分で持ち出したことで、ビジネスらしさを払拭でき、マネタイズも一切考えず、実行に移すことができました。
今年で41歳になります。
残りの人生を考えた時に、ビジネスを立ち上げてそれを伸ばすことはたくさんやってきたので、リアルな人と人とのコミュニティーとか、暮らす環境を幸せにしていくほうが「自分も幸せになるかも」と思ったんです。
ーーまさにウェルビーイング的な考え方ですね。
そうですね。
今は本当に楽しくて、新しい世界が広がっている気がします。
会社のため、お金のためといった考え方から、地域のため、リアルな生活者のためといった考え方にシフトしてきました。
それは、子どもが生まれて地元にUターンし、地域に根ざして暮らしているからだと思います。
Harenohiは自費による開催ですし、「一人でもやる」という覚悟だったのですが、今では家族、特に私の妻がかなりサポートしてくれています。また、二本松に住むたくさんの方々も協力してくれています。
イベントのチラシを配ってくださったり、地元のスーパーがチラシを店内に掲示してくださったり、「良いイベントだね」とのお声がけもいただいています。
人づてで参加者も集まってきており、「人と人の輪って広がるんだなあ」と感じています。
ーーHarenohiはVo1にとどまらず、2回、3回と続けていく予定ですか?
まだ1回目が終わっていないですが、もちろん2、3回目と続けていきたいです。
個人事業としてこのようなイベントをやるのは初めてなのですが、今回ライブをしていただける永原真夏さんもイベントの趣旨に大変共感いただきました。
私の本業はコンサル業なのですが、その仕事先からも「素晴らしい取り組みですね」と褒めていただき、励みになっています。
Harenohiは豊かな広がりをみせています。
当日は福島の農業を体験してもらい、ライブにも参加してもらい、周りの人と笑い合ってほしいと思います。
私自身も当日が待ち遠しいです。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
たまには立ち止まって「当たり前の日常」を祝おう。農業と音楽を融合した「Harenohi」を福島で開催へ