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カセットコンロの上に大きな鉄板。そして、火をつけてサムギョプサルを食べるーー。
これは、人気YouTuberが9月13日に配信した動画の一コマだ。
しかし、このカセットコンロの使い方は爆発事故を引き起こす可能性があり、大変危険だという指摘がインターネット上で上がっている。
なぜ危険なのか。命を守るために必要なことは何か。関係機関の注意喚起をもとに解説する。
人気YouTuberが配信した動画は、サムギョプサルを食べながら最近怒った話と妊婦健診のことを語る、というもの。
冒頭、「懐かしい鉄板が引越しの段ボールから出てきました。この鉄板めっちゃ簡単なの。ガスコンロ(カセットコンロ)にのせるだけで、本格的なサムギョプサルが家でできる」と紹介した。
動画を見る限り、カセットコンロは一般家庭で使うサイズ。鉄板はカセットコンロ全体を覆う大きなものだった。
動画は9月18日午後2時現在、76万回ほど再生されている。
動画の中身に関するコメントが多かったが、「カセットコンロの使い方が危険」と指摘する人もいた。
過去には、カセットコンロの使い方を誤ったことが原因の死亡事故が起きている。
2022年12月1日夜、兵庫県のお好み焼き兼焼肉屋でカセットコンロが突然爆発し、目の前に座っていた客が死亡した。
この客はお好み焼きを焼いて食べた後、店側が鉄板の上に設置したカセットコンロの上で焼肉を食べていた。
鉄板の熱が残っており、カセットボンベが熱されて爆発したとみられるという。
なお、カセットコンロを誤使用したことによる事故は人ごとではなく、関係機関も注意喚起を繰り返している。
東京消防庁の「火災の実態」によると、消臭スプレーなどの「エアゾール缶」と、カセットコンロに使うガスボンベによる火災は2021年、同庁管内で122件あった。
この10年で2番目に多い数で、死者は1人、負傷者は67人だった。
また、製品評価技術基盤機構(NITE)によると、次のような使い方による事故の事例があった。
①カセットコンロを2台並べ、その上に鉄板を置く
②カセットコンロを覆うような大きな鍋や鉄板を置く
③IH調理器の上でにカセットコンロを置く
④ガスコンロの上にカセットコンロを置く
①は火で温められた鉄板から出る「放射熱」が原因で爆発する。③はIH調理器の電源が入ってしまい、温められて爆発する。④はガスコンロのグリルから出た排気熱で爆発する。
そして今回、YouTuberの動画で当てはまるのは②だ。
コンロを覆う大きな鉄板を使用すると、加熱されたカセットボンベの内圧が上昇し、ボンベが耐えられる圧力の限界を超えて破裂する危険性があるという。
NITEはカセットコンロを使う際の注意点として、このようなことを挙げた。
・カセットボンベは正しく装着する
・カセットボンベが異常に熱くなるような使い方はしない
・古くなった製品の部品劣化や破損などに注意する
・カセットボンベのガスは最後まで使い切って廃棄する
・カセットボンベは日光や外気にさらされない室内に保管する
また、NITEは公式YouTubeアカウントにカセットコンロの火災に関する実験動画をアップしている。
例えば、カセットコンロを2台並べた実験映像では、バン!と大きな音を立てて火が上がり、カセットコンロが吹き飛んでいた。
家で焼肉や鍋をする際は、カセットコンロの使い方に十分注意する必要がある。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
人気YouTuberのサムギョプサル動画に「危険」の声。カセットコンロ爆発の恐れも。気をつけたい5つのポイント