スキンケアを始めたのはいつ頃だっただろう?
20代男性の筆者は、見た目に気を使うようになった高校3年生くらいの頃だった。
ニキビや肌荒れが気になり、右も左も分からず、ドラッグストアで買った化粧水と乳液を「こんな感じか?」をびちゃびちゃとつけていた記憶がある。美容にまつわる都市伝説や、SNSで紹介されているものを無作為に試して失敗した苦い記憶も…。
「メンズのスキンケアって、どこで誰に聞けばいいの?」
そんな当時のモヤモヤに答えてくれるようなイベント「ティーンビューティゼミ」がビービーラボラトリーズ(Bb LABORATORIES)本社で開催されると聞きつけ、会場に足を運んでみた。
2023年春に第1回目が開催された「ティーンビューティゼミ」は、10代が抱える美容の悩みや疑問に応えるイベントだ。
3回目の開催となる今回は「ベタつかない、毛穴キレイで清潔感。はじめてのメンズスキンケア」と題して、10代を対象としたメンズスキンケアについてのレクチャーを行った。
司会を務める美容ジャーナリストの鵜飼香子さんが「肌の悩みを抱えた10代が多い一方、親からのアドバイスを素直に受け取るのが難しい年頃でもありますよね」と会場に問いかけると、参加者に加え、後方で参観している保護者も「うんうん」と深く頷いた。
そこで同イベントでは、信頼できる第三者である「肌の専門家」と共に、ジェンダーフリーのブランド、ボタニズムを使って効果的なスキンケアを実践した。
ビービーラボラトリーズの松﨑まゆみ社長は、商品開発の背景について「社内の若いメンバーたちから『歯磨きとセットでできるくらい取り入れやすく、年齢や性別を問わずに使えるライフスタイルブランドを作れないか』と声があがったのはじまりです」と明かした。まさにはじめてのスキンケアにもぴったりなアイテムだということが伺える。
スキンケアを実践する前に知っておきたい基礎知識を教えてくれたのは、美容ジャーナリストの加藤智一さん。
メディア広告や著名人などの影響もあり、以前よりも身近になったように感じられるメンズのスキンケアだが、加藤さんによれば、実はまだ「一般的」とは言い切れない現状があるという。
2022年12月にTesTee Labが1768人の10代〜30代の男性を対象に行った調査では、10代の70.1%が肌の悩みを抱えているが、実際にスキンケアをしているのは全体の52.9%。20代と30代においても、肌の悩みを抱えている人の割合に対し、スキンケアをしている人の割合の方が小さいという調査結果があるというから驚きだ。
また、男性の肌は女性の肌と比較して、皮脂量が3倍、水分の蒸発は2倍という事実にも会場からは驚きの声が上がった。シェービングによるダメージも拍車をかけるため、正しいシェービングの方法を知ることも大切だという。
さらに加藤さんは、意外と知らない「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の違いについても説明してくれた。
10代の肌トラブルで最も多い「思春期ニキビ」は、成長ホルモンの分泌が活発になることで皮脂量が増えることが原因。毛穴の詰まりやテカリやニキビの悪化を防ぐためにも、保湿のしすぎには注意が必要だ。
一方の「大人ニキビ」は、ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣の乱れ、飲酒などにより、肌のターンオーバーのサイクルが乱れることが原因。「思春期ニキビ」と比較すると治りにくく、同じところに何度もできやすいのが特徴だ。
イベントの中盤では、事前に寄せられた質問に加藤さんが回答した。
「洗顔もしないわが子に、どうやったらスキンケアの大切さを伝えられますか?」という質問に対し加藤さんは「肌トラブルなどの悩みがではじめてから『待ってました』と教えてあげることが大切」だとした上で、3つの提案をした。
ひとつはK-POPアイドルをはじめ、スキンケアに気を使っていると発言・発信している、10代からも人気の著名人を例にとり「かっこいい〇〇さんもスキンケアやってるよ」とモチベーションをあげてあげる方法。ふたつめは「肌ケア=面倒」という印象を与えにくいオールインワンのアイテムをおすすめすること。そして最後に、皮膚科医に連れていくというものだ。
「10代のお子さんの中には親からの言葉を素直に聞けないという人もいるでしょう。しかし、専門医や白衣を着た人の話なら聞いてくれるかもしれません」
また「ニキビができてしまったときはどうしたらいいですか?」という質問に対しても、皮膚科で医師に相談することがおすすめだと回答し、「美容皮膚科ではない、保険適応の皮膚科でも構いません。私はよく、Googleレビューで口コミのいい良い皮膚科を探して行きます」とコメントした。
イベントでは、実際に効果的なスキンケアをビービーラボラトリーズの髙橋恵理子さんが中心となってレクチャーをした。
顔の代わりに手の甲を使って、洗顔時の指の使い方や力加減、保湿などを一つひとつ実践していく。筆者も10代の参加者に混じって「今までやっていたのは、ちょっと間違ってたんだ…」とこっそりメモを取りながら参加した。
はじめて化粧水や乳液を使う参加者たちは、「これで合ってるかな」といった表情を浮かべつつも真剣にレクチャーを受けていた。
筆者の前でレクチャーを受けていた中学2年生の参加者に話を聞いてみると、「夏は部活のテニスですごく日焼けしました(汗)」とちょっぴりバツの悪そうな表情を浮かべていたが「こんなに丁寧なスキンケアははじめてです」と楽しそうに実践し、全過程を終えてすべすべでもっちりの肌になったときは笑顔を浮かべていた。
10代からのスキンケアの大切さと、効果的なスキンケアについて共に学んだ第3回「ティーンビューティゼミ」。今後もいろいろな方面から、美容の悩み解決に力を注いでいくという。
鵜飼さんは「本当は学校で教えてあげてほしいくらい、多くの若者が悩んでいるスキンケアの方法。これを機に参加者の皆さんが効果的なスキンケアをはじめて、それぞれの悩み解決に向かってくれたら嬉しいです」とイベントを締め括った。
イベントを終えて、筆者は「スキンケアで迷走していた10代の自分が必要としていたのは、まさにこういう機会だった!」と参加者に羨ましい気持ちを抱きつつも、改めて自分の肌を大切にしようと心に決めた。
一生付き合っていく肌、今日のスキンケアを丁寧にすることで、未来の自分が「よくやった」と喜んでくれるはずだ。
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