「人食いバクテリア」米で3人死亡。皮膚に傷がある時に、夏の海や生の魚介類で注意すべきこと

ニューヨーク州モントークのビーチ(2023年7月28日)

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アメリカ北東部で、「人喰いバクテリア」と呼ばれる「ビブリオ・バルニフィカス」に感染し少なくとも3人が死亡したことがわかった。

ビブリオ・バルニフィカスは温かい海水や生の魚介類の摂取を介して人間に感染する。

コネチカット州では保健省の担当者が8月17日、同州で2人が死亡し1人が入院したとハフポストUS版に述べた。

ビブリオ・バルニフィカスは塩分を含む温かい水中(海岸近くや海水と淡水が混じりあうような場所)で自然発生し、傷ついた皮膚から感染する場合がある。

保健省担当者によると、感染者のうち2人はニューヨーク州とコネチカット州を隔てるロングアイランド湾で泳いでおり、ともに皮膚に傷があった。

また、もう一人は他州の店舗で生の牡蠣を食べた後に感染した。

ビブリオ・バルニフィカスの拡大図

ニューヨーク州でも16日、ロングアイランド・サフォーク郡で1人がビブリオ・バルニフィカスに感染して亡くなったと保健省が発表した。感染したのが州内の海だったのかその他の場所だったのかは、まだ明らかになっていない。

ニューヨーク州キャシー・ホークル知事は「すべてのニューヨーカーが警戒を怠らず、自身と大切な人々を守るために責任ある予防措置を取ることが重要です。傷口を海水から守り、免疫力が低下している人々は、このバクテリアに感染している可能性のある生や十分に火の通っていない貝類を避けるよう心がけてください」と声明で述べた。

ニューヨーク州衛生局長のジェームズ・マクドナルド博士は「一般的に、ビブリオ感染症は最初に診断される病名ではないため、医療従事者に注意するよう呼びかけています」と、述べている。

CDC(疾病管理予防センター)によると、ビブリオ・バルニフィカスに感染した場合、胃の痙攣(けいれん)、吐き気、嘔吐、発熱、水下痢などの症状が表れる。また、傷口が感染した場合は、皮膚に変色や赤み、痛み、腫れなどの症状が出るほか、体液が分泌されることがある。血液を通して感染が広がった場合、水脹れのような皮膚の病変を引き起こす可能性もあるという。

ビブリオ・バルニフィカス感染症は夏に増加し、重症の場合は傷の周囲の皮膚や肉が壊死する「壊死性筋膜炎」と呼ばれる状態を引き起こすため「人食いバクテリア」と表現されている。

感染した場合は抗生物質を使って治療するものの、壊死や感染した組織を除去するために脚や腕の切断しなければならない場合もある。また、CDCによると感染者の約5人に1人が亡くなるとされている。

日本の厚生労働省は、健康な人は軽度の胃腸炎を起こす場合があるものの、重症になるケースはほとんどないため過敏になる必要はないと説明している。その上で、肝臓疾患や免疫力の低下などを基礎疾患として持つ人、貧血の治療で鉄剤を内服している人は夏場の魚介類の生食に注意するよう呼びかけている。

また健康な人でも、傷がある場合は海水に接触すると感染し発症する可能性があるという。

ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「人食いバクテリア」米で3人死亡。皮膚に傷がある時に、夏の海や生の魚介類で注意すべきこと

Nina Golgowski